スルガ銀行 Dバンク支店

SURUGA d-labo. Bring your dream to reality. Draw my dream.

特集

特集TOP

2013 Mar.26
No Place Like Home by 東京R不動産 Vol.7

そうだ!海沿いに住もう!
~楽しむ~
「住みたい!」
そう願う人は確実に増えている

「海の近くに住む」。誰もが夢見る暮らしをすでに実践している人々がいる。
シリーズ『そうだ!海沿いに住もう!』では3回に渡って人気の湘南エリアを特集します。第2回目のゲストは雑誌『湘南スタイルmagazine』編集長の富山英輔氏。雑誌づくりを通して湘南を見つめつづけてきた名物編集長に湘南に暮らす人びとの気質やライフスタイル、雑誌を通して人びとに伝えたいテーマについてお聞きします。「湘南の夏はもっと長くていい」という富山氏。キラキラと輝く海を前に、独特の空気感を持つこの土地の魅力を再確認する時間となりました。

聞き手
高野 裕太(スルガ銀行d-laboスタッフ)
吉里 裕也(東京R不動産ディレクター)
長崎 義紹(パラグラフ代表)
語り手
富山 英輔(季刊『湘南スタイルmagazine』編集長)
そうだ!海沿いに住もう! ~楽しむ~ 「住みたい!」そう願う人は確実に増えている

湘南移住のキーワードは「サーフィン」と「犬」と「子育て」

長崎湘南で暮らしたい。そう思った人が必ず書店で手にとる雑誌が『湘南スタイルmagazine(以下「湘南スタイル」)』ですよね。湘南的なライフスタイルを提唱するメディアとして世の中にすっかり定着している感じがします。創刊されて今年で何年目なのでしょう?

富山15年目です。

高野開いてみると、「家」の紹介をメインに湘南で暮らす方々の素敵な生活が目に飛び込んできます。いいなあ、と思わせる雑誌ですね。

富山ありがとうございます。

長崎この15年の間に変化はありましたか。

富山やはり「湘南に住みたい」という人は確実に増えていますね。実際に世の中に対して影響力や発信力のある人たちが移り住んで来ているので、一般の方々でも移住後の暮らしがイメージしやすいのかもしれません。場所に縛られない生活ができる世の中になってきるし、その意味では『湘南スタイル』は割と早くそれを提案してこられたのかな、と思います。

富山 英輔さんインタビューの様子

長崎富山さんも東京からこちらに移られましたよね。富山さんはETcreation inc.という制作プロダクションの代表として『湘南スタイル』以外の媒体の制作も手がけていますが、オフィスは今は鎌倉ですよね。

富山もともと神宮前にオフィスがあったのを『湘南スタイル』が創刊した頃にこっちに引っ越してみたんです。そうしたら別に東京にいなくても大丈夫だとわかりました。ネットのおかげでテキストやデザインのデータのやりとりも楽になったし、デジカメになってカメラマンも東京の現像所に行かないで済むようにもなりました。それと、いざとなれば1時間で都内に出られますしね。

吉里僕らも不動産を通して主体的に場所を選ぶといったライフスタイルを提唱しているつもりなんです。都内だと例えば馬喰町。あそこは町として衰退していましたが、空き物件をギャラリーに変えてイベントを開催してみたら、この10年でセレクトショップやギャラリーがずいぶん増えたんです。一般的には「えーあそこ?」と言われるような場所なのに、集まって来る人たちはみんな自分からここを選んで勝負している感じがします。このコミュニティって何かあるなと感じますね。「つながっている」感というか。房総辺りもそうなんですが、湘南を選ぶ人たちもこういう共通項がありそうですね。

吉里さん 長崎さん

富山湘南移住に際していちばん強いモチベーションとなるのがサーフィンですね。だいたい引っ越されて来るご家族を見ていると、お父さんがサーファーだったりする。家を見ると割とオープンな感じで、玄関脇にサーフボードがあって、犬がいて、子どもの声が響いている。外での時間を大切にする人が多いので、どの家にも庭やデッキがある。

長崎「サーフィン」と「犬」と「子育て」は湘南暮らしの三点盛りですね。

富山子育てをまじめに考えると、確かに湘南は適している気がします。

長崎学校もいい私立校が揃っていますね。

富山藤沢市なんか小学校が足りなくなってきていると聞きます。

吉里少子化だというのに日本の中でもめずらしいエリアですね。

富山『湘南スタイル』の影響で土地の値段が上がったとか道が混むようになったとか、ネガティブな意見もないわけじゃないけれど、全体的に見れば自分自身の生活を自分で設計するといった暮らしをしている人が増えたのはいいことだと感じています。

高野今日は七里ケ浜のレストランをお借りしてお話を伺っているのですが……それにしても外を見るとランニングをしている人や犬を連れた方が多いですね。平日の昼だというのに。

富山平日でもいい波が立つと途端にサーファーで海が埋まってしまいます。みんな何をして暮らしているのかなと思っちゃいますね。

高野この不思議さは湘南の魅力ですね。

左から 高野 富山さん取材に使用した七里ケ浜のレストラン

長崎東京にいると有給休暇って取りにくいですが、こっちに来るとなぜか取りやすいんですよね。あ、天気いいな、いい波立っているな、いいや今日は会社行かなくてもって(笑)。

吉里本当にこの空気感は魅力です。「ネイバーフッドカルチャー」みたいなものがあるとしたら、日本の中でそれを体現しているのは湘南ですよね。今いるこういう店なんかでも、ふらっと会った人同士が仕事の上でもつながれる感じだったり、そういう感度は圧倒的に高い。

富山移って来た人たちが地元のカルチャーをリスペクトしています。それとこの地域の人たちはもともとオープンな気質で、新しいことやいいことは取り入れようといった方々が多いんです。我々もその気質にすごく助けられています。取材にも気さくに応じてくださいますしね。

長崎『湘南スタイル』は家だけでなくレストランや雑貨店などのお店も数多く紹介していますね。やはりこちらに来られる方々の中には商売を始める方も多いんでしょうね。

富山そうなんですよ。雑誌としてもそういう人たちには成功してほしいので応援しています。その意味でも湘南にもっと人が来てほしい。

高野湘南に遊びに行くというとイメージするのは「夏」。7月とか8月とかですね。

富山ビーチに海の家が建っている期間ですね。でも湘南の夏ってもっと長くていいと思うんです。GWから10月くらいまでを「夏」としてとらえるとか。海水浴なら真夏ですが、海で遊ぶならそれ以外でもいい。マリンスポーツはその気になれば1年中楽しめるものですし。

富山さん インタビューの様子

吉里むしろ5月や10月の方が気持ちがいいんじゃないですか。キャンプなんかも実は秋がいいと言われていますよね。寒くなく暑くなく、虫も出ないですし。バーベキューも夏は暑過ぎます。

富山真夏は海沿いの道も混みます。ショップ巡りや食事を楽しむなら真夏でなくてもいい。

長崎ショップといえば葉山の『SUNSHINE+CLOUD』とか茅ヶ崎の『SPORTIFF』などの有名店のほかにも、場所は辺鄙だったり小さな専門店だったりするのに不思議と成立しているお店がけっこうあります。この間も葉山にドイツからの輸入雑貨を中心に売っている店があったんで覗いてみたんです。お店の方に「どうやって売上をのばしているのですか?」と聞いたら「通販で」という答えが返ってきました。

富山『SPORTIFF』などもネット通販で大きくなりましたからね。この地域の人たちってネットに対して柔軟で仕事でも自由に使いこなしていて、ビジネスもそれで広がっている感じがします。

『湘南スタイル』的ライフスタイルを各地に広げたい

高野湘南ブランドというものも育ってきていると思います。たとえば「鎌倉野菜」とか。

富山食材もいいですね。地野菜というのはどこにでもありますが、湘南の特徴は西洋野菜が多い点。レストランのシェフが生産者に「これ育ててみたら」って種をあげたりしているみたいです。外国を知っている人と農家の人たちがミックスして1つのカルチャーをつくっている。鎌倉の市場なんか行くと野菜の種類が多いことにびっくりしますよ。

長崎新しいものに対していい意味でハードルが低いんですね。

吉里『湘南スタイル』の定義する湘南とはどの辺までを言うのですか。

富山湘南の定義って町や人によって違うんです。鎌倉に古くから住んでいる人は「鎌倉は鎌倉であって湘南ではない」と言いますし。雑誌としてはあまり細かいことは考えず、神奈川県の相模湾に面したJRの線路より南側のエリアを対象地域としています。

長崎富山さんは「湘南から見る東京」についてどうお考えですか。

富山僕にとって東京はすごいおもしろいところで大好きなんです。湘南に暮らしたとしてもあそこを生活から切り離すのはもったいない。世界でも有数のおもしろい場所が電車でも車でも1時間の距離にあります。そこを行ったり来たりできるというのも湘南の良さですね。

長崎東京を中心に「湘南っていいよね」じゃなく、湘南を中心に「東京っておもしろいじゃん」って、こっちに来ると矢印の向きが逆になるんですね。

長崎さん

高野『湘南スタイル』は実は湘南や東京だけでなく全国の書店で売られていますよね。

富山『湘南スタイル』は必ずしも湘南に住んでくださいという雑誌ではなくて、登場する人たちの生き方やライフスタイルみたいなものが読み手に伝わるといいなという雑誌なんです。それが北海道でも都内のマンションでも部屋にちょっとグリーンを置いてみるとか、『湘南スタイル』的な暮らしやビジョンが伝われば素敵だなという思いから作っているんです。

長崎誌面を見ていると、登場する誰もが輝いていて素敵な人に見えます。

富山必ずしも経済的に成功している人ばかりではないのですが、収入とか金銭的なものだけが魅力的な暮らしの物差しではないということですね。

吉里ボードを持って海の中に入っちゃえばお金持ちもそうでない人もみんな一緒(笑)。東京R不動産も1億円の売り物件と3万円の賃貸物件を一緒に載せているんですよ。

高野『湘南スタイル』的ライフスタイルが湘南を中心にもっと各地に広がるといいですね。

富山そうなってくれたら、すごく楽しい世の中になると思います。

左から 高野 富山さん左から 吉里さん 長崎さん

Information1

湘南スタイルmagazine

湘南に暮らす人、これから暮らしたい人、そして「湘南的生活」を送りたい人に向けたライフスタイルマガジン。毎号「家」や「店」の紹介をメインに、魅力溢れる「海沿いの暮らし」を発信している。本誌は3月、6月、9月、12月の年4回刊行。ほかに別冊も多数刊行。購入は全国の書店で。

湘南スタイルmagazine

公式サイト
http://www.ei-publishing.co.jp/magazine/#area_live

文 中野渡淳一
写真 長尾真志