Job-labo file 5

大変な仕事だけど、やりがいの方が大きい

佐藤遥果さんの作品

 “吹きガラス”を仕事にしたい! と就職先を探し、神奈川県横浜市にある工房と出会い勤務することになった佐藤さん。最初に任された仕事は、系列の和食料理店(九つ井)で使用する食器類の制作でした。

「吹きガラスの経験がまだ浅かったこともあり、本当に苦労の連続でした。頭の中にイメージはあるのに、技術がついていってなかったんですね。自分のつくったオレンジジュース用のグラス10個がお店で使われたときは、心から感激しました。肉体労働で大変ですが、楽しさややりがいの方が大きいですね」

 工房での1年目は、ガラス制作の基礎力を向上させるために主にその飲食店で使用する食器類の制作に携わり、2年目からはデザインやアイディアなどのオリジナリティを加えたものに挑戦し始めることに。

「ガラスの柔らかさや熱のまわり具合などを、頭と身体で覚えました。少しずつ上達すると、ランプやワイングラス、一輪挿しなどさまざまなものをつくるようになり、さらに花の柄やレース模様などのデザインを取り入れて、器だけ見てもキレイ、カワイイと思ってもらえる自分らしいガラスについても追求するようになりました」

自分らしさとは何か?を追求しつづけたい!

インタビューに答える佐藤遥果さん

「シンプルなものが好まれがちな現在ですが、私は器として存在感があるものをつくっていきたい」と話す佐藤さん。最近では佐藤さんのファンも増えてきているそう。

「元々自然が大好きなので、自分のつくるものにもそんな空気感が出ているのかもしれません。私のつくったグラスや器を買っていただき使っていただくことは、本当に嬉しいことですね」

工房での勤務も6年が経過。これまでがむしゃらに走りつづけてきましたが、最近になりようやく今後について考える余裕が出てきたといいます。

「私が日本人であり、女性であること。私にしかつくれないものというと大げさですが、“私らしさとは何か”を今後もっともっと突き詰めていきたいと思っています。技術を磨いていくことももちろんですが、使っていただくお客さまに幸せになってもらい、“佐藤さんらしいね”と言っていただけるモノづくりを、これからさらに極めていきたいと思っています」

ガラス工房「すえのさと」の外観

(株)九つ井 陶郷 ガラス工房

  1. http://www.kokonotuido.com
  2. 〒244-0844
    横浜市栄区田谷町1483 すえのさと
  3. 045-851-8855
Mini column

なりたい職業、今からでも遅くない

〜“専門学校”入学希望者が増加中!?〜

 文部科学省『学校基本調査』によると、高校卒業者の専門学校への進学率が上昇しているという結果が出ています。平成24年度(2012年)の高校卒業者の大学進学率は53.6%で前年度より0.3ポイントの低下。一方、専門学校への進学者は前年度より5,029人増えて17万7,061人となり、進学率は前年度より0.6ポイントアップの16.8%。3年連続の上昇となっています。

 合計の在籍者数も増加し、専門学校は前年度より4,329人増えて57万8481人に。また、学校を卒業した後や社会人になってから、「この職業を目指したい!」「資格をとりたい!」と、再び勉強すべく通う人が増えています。実際に、入学者の約9%にあたる2万5千人が、大学や短大を卒業後に専門学校に入学(平成23年度/文部科学省調べ)。

 “手に職がつく”こともあり、就職率の高さも人気のひみつ。何歳になっても学べる専門学校で、あなたもなりたい職業を目指してみては!?