大変な仕事だけど、やりがいの方が大きい

“吹きガラス”を仕事にしたい! と就職先を探し、神奈川県横浜市にある工房と出会い勤務することになった佐藤さん。最初に任された仕事は、系列の和食料理店(九つ井)で使用する食器類の制作でした。
「吹きガラスの経験がまだ浅かったこともあり、本当に苦労の連続でした。頭の中にイメージはあるのに、技術がついていってなかったんですね。自分のつくったオレンジジュース用のグラス10個がお店で使われたときは、心から感激しました。肉体労働で大変ですが、楽しさややりがいの方が大きいですね」
工房での1年目は、ガラス制作の基礎力を向上させるために主にその飲食店で使用する食器類の制作に携わり、2年目からはデザインやアイディアなどのオリジナリティを加えたものに挑戦し始めることに。
「ガラスの柔らかさや熱のまわり具合などを、頭と身体で覚えました。少しずつ上達すると、ランプやワイングラス、一輪挿しなどさまざまなものをつくるようになり、さらに花の柄やレース模様などのデザインを取り入れて、器だけ見てもキレイ、カワイイと思ってもらえる自分らしいガラスについても追求するようになりました」
自分らしさとは何か?を追求しつづけたい!

「シンプルなものが好まれがちな現在ですが、私は器として存在感があるものをつくっていきたい」と話す佐藤さん。最近では佐藤さんのファンも増えてきているそう。
「元々自然が大好きなので、自分のつくるものにもそんな空気感が出ているのかもしれません。私のつくったグラスや器を買っていただき使っていただくことは、本当に嬉しいことですね」
工房での勤務も6年が経過。これまでがむしゃらに走りつづけてきましたが、最近になりようやく今後について考える余裕が出てきたといいます。
「私が日本人であり、女性であること。私にしかつくれないものというと大げさですが、“私らしさとは何か”を今後もっともっと突き詰めていきたいと思っています。技術を磨いていくことももちろんですが、使っていただくお客さまに幸せになってもらい、“佐藤さんらしいね”と言っていただけるモノづくりを、これからさらに極めていきたいと思っています」

(株)九つ井 陶郷 ガラス工房
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