旧車を通した、さまざまな出会い

母からは「やりたいことを頑張りなさい」と背中を押してもらうも、父からはなかなか東京行きを認めてもらえなかったという東恩納さん。しかしその決意は固く、単身上京し念願のスターロードでの勤務を開始しました。
「目の前で4〜50年前のクルマが内外装だけでなく、乗り心地までもが新車のように蘇っていき、もう何もかもが完璧で、スターロードでの仕事は毎日が興奮の連続でした。部品一つひとつに心が込められる丁寧な仕事を目の当たりにし、世界から認められる理由や本当の仕事のあり方というものを学ばせていただきました」
そんな東恩納さんの頑張っている姿を見に、ご両親が沖縄から東京のお店にまで足を運んでくれたそう。
「今では両親も認めてくれ、思い切って行動してみて良かったと思っています。ディーラー時代とは違い、ここではお客さまと一緒に話をしながら、いろんなアイデアを出し合い、理想の一台を共に目指します。それが本当に楽しく、やりがいに感じています。ここで働くことができて心から良かったと思います」
現在は、通称「ハコスカ(1969年に誕生した四角い箱のような日産スカイライン)」や、「ケンメリ(1973年にさらに進化したスカイライン。テレビCMでケンとメリーがモデルになっていたことからそう呼ばれるようになった)」、さらに1969年に作られ現在も高い人気を誇る「Z(日産フェアレディZ)」といった旧車を中心に扱い、「毎日喜びの連続です」と満面の笑みで語る東恩納さんは、さらに言葉を繋ぎます。
「共通の想いを持つお客さんと親しくなれ、イベントでもたくさんの旧車好きの方々と出会うことができるのも、ここで働いて良かった点の一つです。とても自分の世界が広がりましたね」
いつか地元・沖縄で、自分の店を開きたい

大好きな旧車と素晴らしい仲間に囲まれ、毎日がとても充実していると笑顔で話す東恩納さん。井上社長も「熱意はもちろんですが、沖縄から転職して来る際に、きちんと前の仕事を遂行してから来たところからも分かるように、彼には強い責任感があり、これからさらに伸びていくと思う」と太鼓判。そんな東恩納さんに、今後の夢について伺いました。
「今は職場と近くの自宅の間を自転車で移動しているのですが、近いうちに沖縄の実家に置いてあるセリカを、東京に持ってこられたらいいな・・・、と密かに思っています。大事な愛車ですし、実は今もローンを支払いつづけているんです(笑)。両親にたまにエンジンをかけたりしてもらっているのですが、早くこちらで一緒に生活できるといいなと思っています」
さらに未来の展望についても、熱く語ってくださいました。
「今はここでしっかり働かせていただき、ネットワークも広げながらとにかく経験を積んでいきたいですね。クルマの外見だけでなく、お客さまの意を汲みエアコンや音など車内環境の快適性にまでとことんこだわっている師匠が身近にいますので、技術やアイデアなどいろんなことを積極的に学ばせていただこうと思います。そしていつか、沖縄にこのスターロードのような自分のお店を作るのが夢です。沖縄にはアメ車(アメリカ産のクルマ)は多いのですが、旧車を扱うお店はあまりないので、多くの人に喜んでもらい感動を共有していけたらいいですね」
東恩納さんはその夢に向かい、これからさらにアクセルを踏み込んでいくようです。

旧車のレストア専門店
『スターロード』
- 東京都でハコスカ、ケンメリを中心に旧車レストアを行うプロショップ
- http://www.starroad.co.jp/
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