履く人を第一に考えて最高の靴をつくる

「あこがれの靴業界でしたが、会社に属していたときにはなかなか希望の仕事をすることができませんでした。5年経ち幅広い経験ができたたこともあり、思い切ってパタンナーとして独立し活動することに決めました」
靴を制作するさまざまなパートがあるなかで、吉見さんはパタンナーの道を進んでいくことを決意。その理由をこう語ります。
「パタンナーは靴のルックスを決定づける、とても重要なポジション。型を起こしたり革を選んだり仕様書をつくったりと、靴づくりのなかでもとても楽しくて魅力的なプロセスだと感じています」
多くの制約があるなかで、取捨選択を繰り返して最高の設計につなぐことがやりがいという吉見さん。今度は、そして職人の腕でつくられた良い靴を、直接お客様に届けたいと自分のブランドを立ち上げ、靴や革の大きな問屋街である東京・浅草に工房兼ショップをオープンさせました。
「やはり自分の看板を出さなくてはと、一大決心をしました。これが大きな転機になりました。というのも、これまでは靴を履く人のことって、実はあまり考えられていなかったことに気付けたんです。お客様に直に触れることで、靴の見た目の良さだけでなく、一人ひとりに合わせた履き心地にもこだわるようになりました」
良い靴は、チームプレーから生まれる

靴は履く人がいて初めて成り立つもの。お店を開いたことで、そんな当たり前のことを改めて実感したという吉見さん。
「このお店に来ていただいて話をして、その方に合わせたサイズ調整を加え履いていただいて、それがまた修理しにここに返ってくる。それが靴づくりの素晴らしさだって強く感じました」
靴づくりには、いろいろなパートを受け持つ人々が携わっています。デザイナーやパタンナー、縫製や革の裁断、仕上げや底を取り付ける作業を担う人、さらに管理や販売・・・。
吉見さんは、靴づくりとは、一人でできるものではないと話します。
「もちろん最初から最後まで手がける職人さんもいますが、多くはチームプレーです。サッカーと似ている部分もあると思います。それぞれの役割を担う一人ひとりがうまく連動していかなくては、絶対に良い靴は完成しません。RENDOの靴は浅草の熟練した職人技を持つ工場に生産をお願いしています。そんな靴づくりにとても大切な『連動』を重要だと感じたので、自分のブランドの名前を『RENDO』にしました」
これから手がけたい靴は、見た目に良いことはもちろん、永く愛着を持って使いつづけてもらえるもの。「靴を愛する仲間たちと連動して、靴はもちろん、それだけでなくいろんな魅力的なファッションやカルチャーも発信して行きたいと思っています」と力強く語ってくださいました。

『RENDO』SHOE and REPAIR
- 東京・浅草にあるアトリエ兼ショップを拠点に活動するシューズブランド
- www.rendo-shoes.jp
- 〒111-0032
東京都台東区浅草7-5-5 - TEL:03-6802-3825
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