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2013 Aug.29
13歳のハローワーク公式サイト
子どもゆめ基金助成活動

お仕事ウォッチング!
社会人を取材する映像制作ワークショップ

子どもたちに向けて600種類以上の職種を紹介している村上龍氏のベストセラー「13歳のハローワーク」。今回はその公式サイトである「13歳のハローワーク公式サイト」編集部が夏休み企画として「社会人を取材する映像ワークショップ」をd-laboで開催しました。テーマは「働く大人を取材し、1つの映像作品にまとめることで社会で働く大人の背中を肌で感じる」。参加者は、高校生5名、中学生1名、小学生2名の計8名。運営は実践女子大学・松下慶太ゼミのメンバーが担当。

8月1日(木)の第1日目は、「ロンドン五輪スーパーハイビジョン映像」や「国立科学博物館シアター360映像」等の作品を手がけている映像監督の徳田淳氏をお招きして作品づくりや取材のポイントなどをアドバイスしてもらったり、グループごとに質問項目を決めていったり、カメラでテスト撮影をしてみたり…と、初体験だらけのイベントの様子をレポートします。

主催
株式会社トップアスリート
(13歳のハローワーク公式サイト編集部)
協力
実践女子大学・松下慶太ゼミ
後援
スルガ銀行 d-labo
講師
徳田 淳(映像監督・日本映画監督協会会員)
お仕事ウォッチング!社会人を取材する映像制作ワークショップ

「好きなもの」から仕事を思い浮かべる

「好きなもの」から仕事を思い浮かべる

本日のワークショップは全部で3時間の予定。まずは進行を担当する松下ゼミのスタッフの挨拶から。スタッフはみんな大学3年生というフレッシュな顔ぶれ。参加者はというと、さらにフレッシュな小学生や高校生。偶然か、スタッフも参加者も女の子ばかり。女の子の方が男の子より「仕事」に対する意識が高かったりするのでしょうか?ともあれ、和やかな雰囲気のなか、ワークショップがスタートしました。

参加者は担当スタッフとともにグループを編成。3つのチームに分かれて、配られたワークシートに自己紹介用の「My favorite things=自分の好きなもの」を書きこんでいきます。「好きなものならなんでもいい」と言われて、ぽんぽんと書いていくのは5年生が2名の小学生チーム。「趣味はバスケットボール。シュートを入れると楽しいし、もっと決めたくなってくる。サッカーも好き。跳び箱も好き。ゲームも好き。勉強も好き。進研ゼミも好き。『ぼくらの七日間戦争』シリーズが好き」と「好き」がつづきます。

高校生チームはというと、ピンク色、マイメロディー、洋服、AKBのまゆゆ、K-POP、料理、お菓子作り、みかん、昼寝……と、なんだか女の子らしくていい感じ。嵐や関ジャニなど、女子の共通言語であるジャニーズもきっちりおさえています。一方で「数学」や「国語」、「家庭科」といった勉強もちゃんと記入しているところはさすがです。ある程度書き進んだところで、そのワークシートを使ってお互いに自己紹介。最初に「好きなもの」がわかれば話も弾んでいきます。

3つのチームに分かれて、配られたワークシートに自己紹介用の「My favorite things=自分の好きなもの」を書きこんでいきます。

次の作業は、書き出した「好きなもの」から3つを選ぶこと。そしてこの3つから連想される「職業」を書いていきます。例えば「数学」だったら「教師」、「おにぎり」だったら「お弁当屋さん」や「料理人」、「農家」など、思い浮かぶものはたくさんあるはずです。

テーブルを覗き込むと、「ROCK」に「野球」に「演劇」、「バスケットボール」に「キムチチャーハン」に「水泳」、「ディズニー」に「絵」に「トランペット」という具合にそれぞれの個性が出てきます。なかには「宇宙」などと壮大な「好き」を描く人も。将来は研究者か宇宙飛行士といったところかな?
「好きなもの」が1つ決まると、そこから連想される仕事が何種類も出てきます。「洋服」なら「スタイリスト」や「ファッションデザイナー」、「ファッションモデル」、「アパレルメーカー勤務」。「絵」なら「画家」に「漫画家」、「CGクリエイター」、「アニメーター」…というように「好きなもの」から選ぶとやりたい仕事が見つけやすいのです。

プロによるアドバイス。仕事には「出会い」が大事

プロによるアドバイス。仕事には「出会い」が大事

1時間ほどたったところで「特別講義」。映像監督の徳田淳さんにご登場いただき、ショートムービーを撮影するときのコツや、映像の世界で働くにはどうすればいいのかなどを伝授してもらいます。と、その前に徳田さんの「好きなもの」をチェック。モニターに映し出されたのは、徳田さんが中学、高校時代に好きだったものです。「絵を描く」、「軽音楽部・ギター」、「サイモン&ガーファンクル」、「演劇部」、「小説・映画」、「鉄道」、「8ミリカメラ」、「クラシック音楽」、「アニメーション」、「プラモデル」と、これを見れば現在の職業が「映像監督」というのもなるほどといった文化芸術系の男の子だったことがわかります。

参加者のみんなからは、「8ミリカメラって何?」、「サイモン&ガーファンクルって?」と世代の差を感じさせる質問が。これには「僕ってそんなに古いかなあ~」と徳田さんも照れ笑いです。つづいて徳田さんが自分のプロモーション用に使っている映像を上映。東京ガールズコレクションや上海万博での日本を紹介する映像、国立科学博物館で流した作品など、すごい仕事ばかりです。「6分半の作品に1年間の撮影期間をあてた」、「120万円かけて6秒のアニメーションを作った」という話にみんなびっくり。映像制作って、手間もお金もかかりそう……。

しかし、今回みんなが挑戦するのは大人が働く場=お店を訪ねてインタビューをするといった比較的シンプルな3分程度のショートムービーです。どんな感じでつくればいいのか、ここでは大学生スタッフがゼミの先生である松下慶太先生を取材したサンプル作品を見てみます。徳田さんにも一緒に見ていただき「ダメ出し=アドバイス」をしてもらいます。本番では具体的にどうやって撮影をすればいいのか、徳田さんが挙げてくださったポイントを並べてみましょう。

  • カメラワークは相手になるべく近づくこと。人の話を撮るときは「ちょっと近すぎ」と言われるくらいがちょうどいい。
  • 画面にインタビュアーなどスタッフの姿が入らないように。インタビュアーは離れて、カメラは近くに、が基本。
  • BGMはほどほどに。声が聞き取りにくい場合は下にテロップを入れる。その方が見ている人に言いたいことが強く伝わる。
  • ずっと話しているだけの映像では見ている方が飽きるので、その話に関係する物(道具)などを出してもらったり、それだけをあとから撮って映像に加えたりする。
    ※例:取材対象が花屋さんならおすすめの季節の花を出してもらう。
  • 人を出す場合、その人の名前と職業をテロップで出してあげると見ている人には親切。すぐに消さずにゆっくり読めるくらいの時間は流すこと。
  • 背景が窓のような光が差し込む場所では、人物が暗くなるので明るい場所で撮影すること。

さすがプロ。どれもその場で役立ちそうなことばかりです。

徳田さんはドキュメンタリーや情報番組などテレビ番組の経験も豊富です。最後に、徳田さんがどうやって今の仕事に就いたのか、質問してみました。「大事なのは知り合いをたくさんつくること」と徳田さん。映像業界で仕事をするには専門の学校で学んだり、テレビ局や制作会社などに就職するという方法が一般的かもしれません。徳田さんの場合はそうではなく、シナリオの学校に入ったそうです。そこで出会ったシナリオライターの先輩たちや現場の監督さんたちにいろいろなことを教えてもらい、撮影現場でアルバイトをするようになった。やがてその流れで自分も監督の仕事を任されるようになったといいます。そこには徳田さん自身の努力があったことはもちろん、仕事を得るチャンスにつながった「人との出会い」も大きく働いていたに違いありません。

インタビュー用の質問を考えよう!

インタビュー用の質問を考えよう!

特別講義のあとは、チームごとに取材で使うカメラをテスト。今回使用するカメラは、密着取材などでよく使用される機動性の高い小型のもの。お互いがカメラマンになって撮影をしてみます。徳田さんのアドバイスとこのカメラテストで、どんな映像を撮ればいいのかはだいたいわかりました。残すはインタビューの内容。ワークショップの残り時間は質問項目を考える時間となりました。

本番での取材先は中目黒にある雑貨屋さんにスイーツ屋さん、それに写真館。各チーム1店ずつ、そこで働く人たちをインタビューします。

小学生チームの訪問先は写真館。「子どもの頃の夢は?」、「人を撮るときに注意していることは?」など、思いつくことをワークシートに書き出していきます。何個も質問が出てくると、気になってくるのは「何から訊いていくか」。実は「こんにちは!」の挨拶がいちばん大切だということに気がついたりします。最初に出てきた「働くことってどんなこと?」という質問は考えた末に「直接は聞かない方がいいかも」。

「いろいろ聞いて、自分たちなりに理解してから、改めて働くってどんなことかなって考えた方がいい。そのための質問を考えよう。」

おっ、いいこと言っていますね。

スイーツ屋さんを取材する中学・高校生チームは「軽い話題から入る」、「最初はお店の紹介をしてもらう」と、スムーズにインタビューが運ぶための組み立てを考えます。雑貨屋さんを取材する高校生チームは、もともとはデザイナーだったオーナーがなぜそのお店を開いたのか、そこからインタビューを始めようかと相談中。「経営はどうなっているのか」、「厳しいのになぜ続けているのか」など、ドキッとするような鋭い質問も並んでいます。

最後はそれぞれの役割分担。誰がインタビュアーで誰がカメラマンか。途中交替するならタイミングは?終わり頃になって「部活があって遅れた」という唯一の男の子にして中学生の参加者も到着。翌日の取材に備えてスケジュールをおさらい。チーム名を決めたりしたところで本日のワークショップは終了です。

さあ、はたしてどんなショートムービーができるのか。次回は上映会の模様をお伝えいたします。

スムーズにインタビューが運ぶための組み立てを考えます。

Information 1

13歳のハローワーク公式サイト

小・中・高校生を対象に、教師や医師、スポーツ選手、保育士、デザイナーなどの人気職業をはじめ1,000種類以上の職種を紹介している人気サイト。「好き」「分野」「職業名」「マップ」などのキーワードからさまざまな職業を調べることができる他、働く大人に対する質問コーナーや、各界で活躍しているプロのインタビュー、「思い出」からみるタイプ別診断、人気職業ランキングなどコンテンツは盛りだくさん。ページビューは月間約800万。「13歳のハローワーク」著者・村上龍氏のメッセージにもふれることができる。

公式サイト
13歳のハローワーク