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2014 Aug.8
Topic on Dream ~夢に効く、1分間ニュース~ Vol.42

リアル版『ペイ・フォワード』!?
“恩送り”を体験できる 優しいイベント「カルマキッチン」

アメリカの西海岸ではじまり、世界20か国以上で開催されている「カルマ・キッチン」というイベントを知っていますか?コンセプトは「恩送り」。レストランでいただく食事にかかる費用は、これまでに参加した人が既に支払ってくれています。食事後の自分の支払いは0円でもOK。そのときの自分の財布と気持ちに素直になり、寄付やメッセージなどの「優しい気持ち」を次のレストランに回す…という仕組みです。日本では2012年に始まり、現在3か月に1回開催されている、この不思議なイベントをご紹介します。

リアル版『ペイ・フォワード』!? “恩送り”を体験できる 優しいイベント「カルマキッチン」

いま目の前にあるこの食事は、たくさんの優しさのバトンから生み出されたもの

2014年3月22日、麹町にある「番町茶館」で、8回目の「カルマ・キッチン」が開催されました。参加者は23人とボランティアスタッフが7名。イベントの仕組みをあらかじめ理解して予約する人から、レストランをたまたま通りがかった近所の人まで、ざまざまです。

カルマ・キッチンの様子

会のはじめにコンセプトの説明を受けたら、食事がスタートします。普通のレストランと違うのは、食事代が「既に支払われている」こと。「カルマ・キッチン」の趣旨に賛同するレストランのみで開催されるため、料理を作るシェフもサーブをする人も、すべてボランティア。必要な経費は、食材のみというわけです。

食事が終わったら席に茶封筒が回されます。メッセージでも寄付でも、そのときの「素直な気持ち」を次回に送る、という仕組み。

「レストランの食事も、サービスも、お金ではない『優しさのギフト』で構成されています。そのコンセプトを知ると、自然と同じテーブルの人との会話が生まれたり、店員さんへの感謝が深まったり…。普段レストランで過ごす時間とは違う、温かな空気が流れますね」

そう話すのは、「カルマ・キッチン」を運営する任意団体「ギフト経済ラボ」スタッフの河村和紀さん。「カルマ・キッチン」に関わるようになってから、人とのつながりを意識するようになり、コミュニケーションの仕方が変わったといいます。同じく、スタッフの石丸弘さんは言います。

「あるとき、気がついたんです。『カルマ・キッチン』だけでなく、毎日の経済活動が『ギフトなんだ』って。いま、このレストランで食事ができるのは、ほかのお客さまが支払ってくれているから。その支払いが、レストランの仕入れとスタッフの給与を支えている。食材となる野菜や魚の生命もギフトだし、その生命を育む太陽や土もそう。生命のギフトの連鎖の中で、この食事が運ばれてくるんだ、と」

調理方法も、調理器具も、試行錯誤して生み出したたくさんの先人のバトンを受けて、今目の前に食事が出されている…。石丸さんは、そんなことを感じるようになったそうです。

カルマ・キッチンの様子

生命の連鎖を感じれば、「いただきます」の祈りだけで幸せな気持ちになるかもしれません。「優しさのギフト」で運営される、ちょっと不思議な「カルマ・キッチン」。感謝とご縁をあらためて感じるきっかけになりそうです。

参考元: Karma Kitchen Tokyo
Karma Kitchen Tokyo Facebook

文 水谷ともゑ