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2014 Oct.31
『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』読者勉強会 Vol.13

『ハローキティに見るグローバルなブランド拡張戦略』

「グローバル・リーダーを目指す人の総合マネジメント誌」として多くの経営者やコンサルタント、若手のリーダー層から支持を集めている『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』。10月1日開催の読者勉強会では、サンリオ常務取締役の鳩山玲人氏をゲストにお招きし、世界で愛されている「ハローキティ」のブランド拡張戦略についてお話を伺いました。もともとは女児向け玩具のキャラクターだったハローキティが、いまやセレブリティにも愛される世界的キャラクターに。鳩山氏が、そしてサンリオが打ち出した「変換」とは。巨大なグローバル市場に進出したハローキティの今に迫ります。

『ハローキティに見るグローバルなブランド拡張戦略』

誕生から40年。世界的ブランドとなったハローキティ

『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』読者勉強会の様子

「インタラクティブな会にしたい」と鳩山氏。講師の希望通り、読者勉強会は「インタラクティブにならざるを得ない」という参加者へのクイズからスタートした。1974年に登場したハローキティは今年で40周年。女性はもちろん男性でも知らない人はいない“キティちゃん”だが、出された問いは「キティちゃんの体重はどれくらい?」、「キティちゃん一家が住んでいるところは?」となかなかの難問。答えは「リンゴ3個分」に「イギリスのロンドン郊外」。正解者には鳩山氏からプレゼント。そして不正解の人にもプレゼントが手渡されると、会場からは拍手が。これがサンリオのフィロソフィである「スモールギフトビッグスマイル」。2008年の入社以来、鳩山氏もこのフィロソフィに共感して、ハローキティのライセンス事業をつづけてきたという。

まずはアメリカで制作されたハローキティのイメージビデオを鑑賞。そこに登場するハローキティは、日本人の抱いているキティちゃんとはひと味違う。レディー・ガガやパリス・ヒルトンといったセレブリティに愛されているアメリカのハローキティはクールでお洒落なイメージ。女児玩具の枠を超え、さまざまな業界の製品とコラボレーションを重ねた結果、いまやハローキティは完全なるグローバルブランドとなっている。

キャラクターからブランドへ。コラボでマーケットを拡張する

『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』読者勉強会の様子

ブランドとしてのハローキティで意外なのは、「マーケティング費用をほとんどかけていない」という点だ。セレブリティが好んで持つという現象は「ハローキティが自然に作り出したもの」。そしてハローキティは「変化を好むキャラクター」でもあるという。例えば、「ドラえもんが赤くて四角だったらおかしい」が、ハローキティの場合はそういったデザインやカラーリングの変化にも対応できるだけの汎用性がある。だから高級ブランドから一般消費材メーカーまで、あるいは他キャラクターとのコラボレーションが可能となるし、同時にそれはマーケットの拡大にもつながる。女児玩具だけなら日本国内で約400億円の市場しかないが、例えばここにアパレルが加わると約9兆円の規模となる。こんなふうに他業界とコラボレーションすることでハローキティは「女児玩具からアパレルへ」、「キャラクターからブランドへ」といった「再構築」を成し遂げ、市場を飛躍的に拡大させてきた。その動きは国境を越え、現在ではサンリオの海外市場での営業利益は98パーセントに達している。そこにはもちろん、「ブランドの核」は守りつつ提携先ごとに「関与の度合いを変える」といった柔軟かつ細かい戦略がある。結果、2000年代に低迷していたサンリオはV字回復を果たし、ROEでも上場企業の中でトップに位置するまでに至った。それを牽引してきたのがハローキティと鳩山氏だ。

プレゼンの最後で鳩山氏がとくに強調したのが「志」。

「戦略の転換と志。これがサンリオが一歩抜きん出た最大の理由ではないかと思います」

『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』読者勉強会の様子

Information 1

鳩山 玲人 氏
株式会社サンリオ常務取締役

1974年生まれ。青山学院大学国際政治経済学部を卒業後、三菱商事に入社。エイベックスやローソンなどでメディア・コンテンツビジネスに従事。その後、海外に渡り、2008年にハーバード・ビジネス・スクールでMBA(経営学修士)を取得。同年、サンリオに入社し、2010年に取締役事業戦略統括本部長に就任。現在、経営戦略統括本部、全社統括室を担当。2013年より株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)社外取締役。著書に『桁外れの結果を出す人は、人が見ていないところで何をしているのか』(幻冬舎)がある。

Information 2

DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー

世界最古のマネジメント誌として知られる『Harvard Business Review』(HBR)の日本語版。1976年の創刊以来、「優れたリーダー人材に貢献する」というコンセプトのもと「実学」に資する論文を掲載。現在は「グローバル・リーダーを目指す人の総合マネジメント誌」として『HBR』の論文の他日本語版オリジナル記事を掲載。時宜に合った特集内容が好評を呼んでいる。

公式サイト
http://www.dhbr.net/