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2014 Mar.28
『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』読者勉強会 Vol.9

『意思決定は結果である』

「グローバル・リーダーを目指す人の総合マネジメント誌」として多くの経営者やコンサルタント、若手のリーダー層から支持を集めている『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』。 d-laboを舞台にしての読者勉強会の第9回目は、講師にライフネット生命保険株式会社代表取締役会長兼CEOの出口治明氏をお招きして開催されました。テーマは「意思決定は結果である」。会場には出口氏のファンである参加者が集合。ディスカッション中心の勉強会は充実したものとなりました。

『意思決定は結果である』

「意思決定」の決め手は「直感」

『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』読者勉強会の様子

勉強会の前段は講師のプレゼン。出口氏が話してくれたのは「生きること、働くこと」について。ここで語られたのは、人には誰でも向上心があり、自分が生きる職場や地域、そして世界を変えていきたいという「世界経営計画を持っている」ということ。

だが、人は神様ではないので、そんなことはたやすくできることではない。できるのはサブシステムとして機能することだ。そのためには世界を理解し、自分はその中でどの部分を担うのか、世界という「森」の姿を「数字・ファクト・ロジック」で見なければならない。そうでないと人間は「見たいもの」だけを見て現実を誤認することになる。

例えば「夫婦別姓」の問題。一部の反対論者は「日本の伝統を壊す」と訴えるが、実は夫婦が同姓となったのは明治時代以降のこと。持統天皇の頃より1300年つづくこの国の歴史を見れば、その大部分は夫婦別姓だった。こんなふうに、世界という「森」を理解するには、空間軸、時間軸を「延ばして」眺める必要がある。

「新幹線で浜名湖を通っても浜名湖全体の形はわからない。それと一緒ですね」

今日のテーマの「意思決定」については、「直感ですよね」と出口氏。
「日常における意志決定のほとんどは時間も資源も使えない、いますぐ決めなければならないものばかりです。そのときに自分の何をもって決めるかといえば、直感なんです」

直感が働くときの脳はフル回転している。この直感を鍛えるには「人と会う、本を読む、旅をする、の3つしかない」と出口氏。わかりやすく言えば「勉強」だ。東日本大震災で津波から逃れた人々の多くは、過去1年以内に避難訓練を体験していた。1回でもこうした「勉強」をしていれば、人は無意識に「直感」を働かせるようになるのだ。

ビジネス書よりも小説を

『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』読者勉強会の様子

プレゼン終了後は約1時間にわたるディスカッション。参加者の発言で目立ったのは「意志決定」への不安や疑問だった。「ビジネスにおいての意志決定は難しいのでは?」、「迷いは出てきませんか?」、「直感が間違っていたらどうするのか?」といった質問に対し、出口氏の答えは実に明解。ビジネスの意志決定は「簡単。どっちが得かを考えればいい」し、「人間の世の中でぶっちぎりでいいものなどないのだから、迷わず好きなものを選べばいい」。そして間違ったときは「部下にごめんなさいと謝って変えればいい」。要は難しく考えすぎないことだ。

ビジネス書の著作も多い出口氏。だが、この勉強会で参加者にすすめたのはビジネス書ではなく、古典や歴史を題材にした小説だった。なぜならそこには背景をきっちり描いた「意思決定」が描かれているからだ。
「何かをインプットしたら、ブログに書くなり人に話すなり、アウトプット(=言語化)して脳に焼き付けること」

直感力はすぐに鍛えることはできない。が、それは心がければ必ず身に付けることができるのだ。

Information 1

出口 治明 氏
ライフネット生命保険株式会社代表取締役会長兼CEO

1948年、三重県生まれ。京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社に入社。主に経営企画畑を歩く。金融制度改革、保険業法改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを歴任したのち退職。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役に就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名変更、同社代表取締役社長に就任。2013年、同社代表取締役会長兼CEOに就任。

Information 2

DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー

世界最古のマネジメント誌として知られる『Harvard Business Review』(HBR)の日本語版。1976年の創刊以来、「優れたリーダー人材に貢献する」というコンセプトのもと「実学」に資する論文を掲載。現在は「グローバル・リーダーを目指す人の総合マネジメント誌」として『HBR』の論文の他日本語版オリジナル記事を掲載。時宜に合った特集内容が好評を呼んでいる。

公式サイト
http://www.dhbr.net/