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2015 Aug.6
Topic on Dream ~夢に効く、1分間ニュース~ Vol.93

もし年金受給開始年齢が70歳になったら、
どれくらい貯金しておくべき?

老夫婦

今や人口のうち4人にひとりが65歳以上と言われる高齢化社会。2060年には2.5人にひとりが65歳以上となることが見込まれており、現在、満65歳以上から受給される年金の受給開始年齢が70歳になる可能性も少なくありません。

そこで生じるのが、「老後を安泰に過ごすにはどれくらい貯金が必要なの?」という不安。

たとえば35歳、子どもが2人いる家庭であれば……?ファイナンシャルプランナーの菅野美和子さんに試算をしてもらいました。

現在35歳の会社員、妻と二子をモデルケースに考える

・Aさん一家の場合

35歳 会社員 65歳で退職、退職までの平均年収額面は450万円
30歳 専業主婦 出産で退職、下の子が小学生に
なったらパートで働く予定
長男 6歳 小学校1年生 高校まで公立、大学は私立理系(4年制)を予定
長女 3歳 幼稚園年少 高校まで公立、大学は私立文系(4年制)を予定

※現在価値で計算しており、物価上昇などは今回考慮していません

まず、退職する65歳から年金の受給が開始する70歳までに必要な生活費を計算してみましょう。

「生命保険文化センター生活保障に関する調査2015」によると、日常生活費は最低でも月に22万円、ゆとりある生活を送ろうとすると35万4千円必要であることが報告されています。ここでは間をとって27万円とし、これを12か月×5年とすると、5年間に必要な額は1620万円となります。

次に、年金受給が開始する70歳以降の夫婦での生活費について。

受給される年金は以下のとおりです。

夫:老齢基礎年金 780,100円 ※退職までの平均年収額面を450万円として計算
夫:老齢厚生年金 1,060,000円
妻:老齢基礎年金 780,100円 ※独身時代の厚生年金加入は2年として計算
妻:老齢厚生年金 25,000円
夫婦の年金額 合計 2,645,200円

少し生活レベルを下げることにして、25万×12か月=300万円には35万4,800円足りません。夫が平均寿命の85歳まで生きるとすると、15年間で不足する総額は532万円になります。

その後、夫が85歳でなくなり、妻が1人で女性の平均寿命89歳まで過ごす間の必要なお金を計算してみましょう。

・受給される年金(1年間の年金受給額)

遺族厚生年金 795,000円 ※夫の老齢厚生年金の4分の3
老齢基礎年金 780,100円
妻の年金額 合計 1,575,100円

年間の必要生活費は夫婦2人でいた頃の約7割と想定して年間200万円。受給される年金では年間42万4,900円不足するので、平均寿命の89歳まで生きるとすると、80歳からの9年間の不足額は合計約380万円です。

そのほか必要な費用に、死後整理資金(葬儀、遺品整理など)があり、葬儀にかかる費用は生命保険文化センターが発表している日本消費者協会の調査によると、189万円とのこと。業者による遺品整理費用も含めて、ひとり約200万円と試算すると、夫婦で約400万円。

これらをすべて足すと、女性の平均寿命89歳まで生きる場合、必要な費用合計は1620万+532万+380万+400万=約2900万円ということになります。

必要想定金額は1700万円!どう貯める?

夫の退職金1200万円(=中小企業東京都産業労働局労働相談センター 平成26年12月中小企業モデルから抜粋)をここに充てるとしても、最終的な必要金額は1700万円!

つまり現在35歳のAさんは、これから65歳までの30年間でこの1700万円を準備する必要がありますが、このうちおそらく20年間は子どもたちの教育費の負担が大きく、老後の資金を積極的に貯蓄する余裕はあまりなさそうです……。

そこで、目標額に向けてのこのような積立の試算をしてみました。

最初の20年間は勤め先の財形制度を利用して毎年20万円を積み立てる(1%で運用と仮定)

20年間で貯められる金額は4,403,800円。

このお金を1%で10年間運用すると4,864,437円。

教育費に目処のついた20年後からは毎年120万円を10年間積み立てると12,554,640円。

これを合計すると30年後の合計額が17,419,077円と目標に到達します。
年間20万円というのは月々で約1万7,000円ですから、これを積み立てることができれば、目標も現実となりそうですね。

子どもの教育費や住宅関連費も考慮すると老後の資金準備なんて到底無理……と諦めてしまいそうですが、他にも保険などを組み合わせて貯める方法もあるようです。
無理のない範囲で老後資金の準備を今から始めてみてはいかがでしょうか。

文・真貝友香

Information

菅野美和子(すがの みわこ)

すがのみわこコンサルティングオフィス代表。社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー。Webサイト「女性のための年金相談室」を主宰する。企業顧問、年金相談員、セミナー講師を務めるほか、執筆業では著書に「年金1年生」(主婦の友社)『ねんきん定期便がよくわかる本』(BKC)など。雑誌のマネー記事監修も多数。