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2016 Nov.4
Topic on Dream ~夢に効く、1分間ニュース~ Vol.153

老舗京和菓子屋さんが教えてくれた「ビジネスで使える和菓子のマナー」

ビジネスパーソンのみなさんは、挨拶、お礼、またお詫びなど様々なシーンで、手土産としてお菓子を用意することが多いのではないでしょうか。またお菓子は渡すだけでなく、打ち合わせの場で出されることもしばしば。

そんなときに和菓子が登場することもありますが、和菓子には実はマナーがあるんです。

今回は、京菓子資料館を運営する京菓子店、俵屋吉富の成岡あゆみさんに、おもてなしを演出するための“和菓子のマナー”を教えていただきました。

相手の気持ちを考慮した和菓子選びのポイント

手土産のお菓子を選ぶ場合、デパートの地下に行けば、目移りするほど多くの和菓子を手に入れることができます。

ビジネスシーンの手土産として和菓子を選ぶ場合、成岡さんによると「小分けになっているものや話題性のあるもの、新商品」を選ぶのがいいとのこと。

個包装になっている和菓子は配りやすいのが◎。
個包装になっている和菓子は配りやすいのが◎。

ただしお詫びの場合は、品物選びに注意したほうがいいと成岡さんは言います。

「商品に対してどう感じる人がいるかわからないので最低限、色味やお菓子の名前には気を付けたほうがいいですね」

たとえばお詫びの気持ちを表すお菓子なのに、あまりに陽気さを感じさせるものは場違いととらえられてしまう可能性も。といって、あまり暗すぎると仏事のお菓子を連想して、「失礼な!」と感じてしまう人もいるかもしれません。

相手の年代や性格によっても、とらえ方が様々です。選ぶポイントはあるのでしょうか?

「暗い色のものを積極的に選ぶというよりも、お詫びの時にあえて選ばなくてもいい色味じゃないかどうか、考えてみてはいかがでしょうか。たとえば、お詫びなのにパステルカラーだと違和感を与えてしまうこともあるでしょう」

また「寿」「笑」などが入った商品名のものも、あえてお詫びのときに選ぶ必要はありませんね。逆に、こういった縁起のいい言葉が入ったものはお祝い用に、また感謝を表す言葉が入ったものをお礼の時に選ぶようにすれば、気持ちを伝える一助になります。

神経質になりすぎる必要はないですが、選ぶときに頭の片隅に置いておいた方がいいでしょう。

お土産を渡す方法やタイミングは?

持っていったお菓子は、一通りの挨拶を終えてから渡すのが一般的です。和室の場合は座ってから、会議室の場合は座る前にお渡しします。

「『お好みに合うといいのですが……』など一言添えてお渡しするといいでしょう。袋から出して渡すのが一般的なマナーですが、袋が必要な場合もあるので状況に応じて対応してください」

生菓子など冷蔵が必要なものは、渡すときに伝えるのを忘れないようにしましょう。

またお詫びの場合は、相手がお詫びを受け入れてから渡すのがマナーです。
「万が一、相手が謝罪を受け入れてくれない場合、心を込めて相手のお話を聞いた後、帰り際にお渡しします。拒否された場合は、無理強いせずに持ち帰りましょう」

また和室にお伺いする場合、真夏でも素足は失礼にあたるそうです。和菓子の渡し方とあわせて覚えておいてくださいね。

お茶請けに和菓子を出す場合

お茶と一緒にお菓子を出す場合、順序や置き場所にも決まりがあります。

お茶はお菓子の左側に置きましょう。

「先にお菓子を出してから、お茶を出します。お茶はお菓子の左側に置きましょう。またお茶請け用のお菓子を選ぶ場合、包み紙があるものや開けるのに時間がかかるものは避けたほうがよいでしょう」

出されたお客さまが、打ち合わせの最中にお菓子を開けるのに四苦八苦となってしまっては、おもてなしの気持ちも逆効果になってしまいます。スムーズに食べてもらえるような品を選ぶとよいでしょう。

客として和菓子をいただく時の注意点

逆に客として伺ったときに和菓子を出された場合、気を付けることはあるのでしょうか。

「まず相手に促されてからいただきましょう。そのときは、『頂戴します』と一言添えることを忘れないでください。個別で出されたお菓子は、残さず食べることがマナーです」

またせっかく出されたお茶が冷めてからいただくのも失礼に。温かいうちにいただく方がよいですね。一気にお茶を飲むこともマナー違反になるので注意しましょう。

「食べ方についてですが、お饅頭なら手で割って食べても大丈夫です。干菓子なら手でつまんで食べましょう。楊枝がついているお菓子の場合は、一口大にカットしてから食べます」

雲龍

マナーは双方心地よく過ごすためにある最低限の決まりごと。ポイントをおさえたら、マナーを守ることばかりを考えて固くならずに、出していただいた和菓子をおいしくいただきましょうね。

文・ミノシマタカコ