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2017 Feb.14
Topic on Dream ~夢に効く、1分間ニュース~ Vol.168

AIは人間社会とどう共存するのか?専門家に聞く、未来予想図

握手するロボットと人間

これまで、映画やTV、小説などフィクションとして、AI(Artificial Intelligence/人工知能)と人間が共存する世界が描かれてきました。それが現実となる未来がやってこようとしています。近年、世界的大手IT企業が続々とAI分野に参入し、その技術は目覚ましい勢いで発達しています。人間とコミュニケーションをとれるAIもすでに登場しており、これからの未来、人間がコミュニケーションをとる相手は人間ではなくAIになるのかもしれません。今回は専門家に、人間社会にAIが溶け込む夢の未来を予想していただきます。

世界は今、AIとの対話の時代に突入した!

イメージ画像

お話を伺ったのは、音声認識技術の開発・販売を行なっているアドバンスト・メディア応用技術開発部の森脇健さん。そもそもAIとは何なのでしょうか。

「AIの歴史は意外にも古く、1956年までさかのぼります。AIの解釈や定義は非常にあいまいで幅広いのですが、一般的には人間の知的機能をコンピューターの代わりに行なわせる技術の総称を指すとされています」

近年、注目を集めているのがiPhoneのSiriに代表される対話型のAIでしょう。ユーザーの話した内容を理解し、データベースから適切な情報をピックアップして人間のごとく応答する。世はまさに対話するAIの時代に入ったわけです

対話型AIの進歩の裏に音声認識技術あり

人間と機械がコミュニケーションをとる対話型AIには、音声認識技術が欠かせないと森脇さんは言います。AIが指示を受けるためには、まず人間の言葉を理解する必要があるからです。

「過去の音声認識技術では、事前に使用する人間の声を学習される必要があり、コンピューターが聞き取れるようにきれいな日本語を話さなければなりませんでした。いわば人間が機械に合わせる必要があったんです。現在アドバンスト・メディアで提供している音声認識技術AmiVoice(アミボイス)では、老若男女を問わずあらゆるアクセントや会話スピード、方言までをも認識します。主語が省略されたり、語順が入れ替わったりといった日本語独特の複雑なしゃべり言葉も、非常に高い精度で認識可能です。また、近年では人工知能技術の1つでもあるディープラーニング技術も実装され、飛躍的に認識精度が向上しました。これにより、更に人間に近い自然な対話が可能になりました」

ユーザーと対話するスマートフォンのバーチャルアシスタント(※)、声で遠隔操作できるカーナビや家電製品の実現の裏には、このような高度な音声認識技術の発達があったわけですね。

※オンライン経由でサポートしてくれる人やモノ

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ネット注文を対話型AIがやってくれる!?

キーボード

では、これからAIはどこまで社会に溶け込んでいくのでしょうか。まずは近い将来に実現しそうなことを聞きました。

「いま米国でアマゾン・ドット・コムが販売する、スピーカータイプの音声アシスタント端末『アマゾン・エコー』が、500万台以上を売りあげる大ヒットになっています。茶筒状のスピーカーからクラウドに接続された対話型AIに話しかけるだけで、音楽再生やネット検索はもちろん、タクシーを呼んだり、部屋の電気を消したり、アマゾンで商品を注文することもできてしまうのです。グーグルも、同様のスピーカーを米国で販売しはじめました。日本での販売は未定ですが、もし今後上陸してくることになればiPhone以来の大きな注目を集めることと思います」

発売以降、新機能もどんどん追加されているそうで、あらゆるモノがネットにつながるIoTによって今後は家中の物と接続できることになるでしょう。出かける際に話しかけるだけで家中の電気を消したり、車の走行中に自宅の車庫を開けたり、冷蔵庫の足りなくなった食材を自動的に注文しておいてくれたり。そんな未来がもうそこまでやってきています。

「AI」の未来予想図。
これからは犯罪が減り、人間に代わってAIが働く

無限の可能性を抱かせるAIの進化。これから数十年後、未来のAI社会ではどんなことが起こっているのでしょうか。未来予想図を聞きました。

① ペーパーレスな世の中になる

「地方議会の場では速記者に代わって、AI(音声認識技術)が議事録を作成するシステムがすでに導入されています。あらゆる音声をAIが自動的にテキスト化してくれる未来では、授業中に先生の声をノートにとることもないかもしれません」

② 交通事故や渋滞がなくなる

「すでに自動ブレーキなど実用化が始まっている車の自動運転技術がさらに進化すれば、交通事故を大幅に減らすことが期待されます。自動運転の車が増えていけば、渋滞もどんどん緩和されていくでしょうし、高齢者の運転のリスク管理にも役立つでしょう」

③ 犯罪が減る

「カメラの高性能化と画像解析技術の進化は、犯罪捜査に多大な貢献をもたらすでしょう。監視カメラに映るすべての人間をAIが顔認識することで、犯人や迷子を高速に発見することができます」

④ 電話対応をAIがこなす

「現在でもコールセンターに電話すると音声ガイダンスが流れ、問い合わせ先の担当者に電話をつなげてくれます。これを人につなぐことなく、AIが受付から問題解決まで24時間自動応答してくれる未来がやって来ることでしょう。電話を掛けたら営業時間外だったなんてことは過去の話になるかもしれません」

⑤ いくつかの職業がAIに置き換わる

「コールセンターの案内係だけでなく、様々な仕事がAIに置き換わると予想されています。簿記や会計など複雑だけどルールが決まっている計算業務はAIに代わる可能性が高いといわれています」

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AIが人類を超える未来が来るかもしれない

ロボット

森脇さんは最後に、「AIが社会に溶け込むためには、わたしたちの意識も変わらないといけない」と指摘します。

「いまはロボットの店員が目新しいから人気になりますが、それが当たり前になってくると今度は機械の冷たい対応じゃ嫌だという意見がでてくるでしょう。今後は、わたしたち人間や社会も、ロボットを許容して受け入れる文化を育てていく必要がありますね」

最後に、AIが人間を超える可能性について伺いました。

「計算能力だけを見ればすでに人間の脳を上回っていますし、AIが人間を超える日は必ずやって来ると思います。様々な技術が発展し、AIが更なる進化を遂げれば、わたしたちの社会生活も大きく変わるでしょう」

文・関淳一

Information

株式会社アドバンスト・メディア

人間のように受け答えや記録などの動作をし、音声認識を中心とした知的ヒューマンインターフェース「AmiVoice(アミボイス)」を開発。「AmiVoice」の企画・設計などを手掛ける事業、「AmiVoice」を組み込んだアプリケーション商品を提供する「ライセンス事業」、企業や一般の消費者に「AmiVoice」を組み込んだ商品を提供する「サービス事業」の3つの事業展開を行なっている。