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2015 Nov.16
Topic on Dream ~夢に効く、1分間ニュース~ Vol.108

空から絶景独り占め!モーターパラグライダーから撮る“空撮”の魅力

山本さんがノルウェーで空撮をした写真。
山本さんがノルウェーで空撮をした写真。

「ただ人物や花を撮るのにも飽きてきた」「どうせ撮るなら他人とは違う写真を撮りたい」。そんな方は、“空撮”をしてみてはいかがでしょうか?

まるで鳥になったかのように、空からの風景を撮影する“空撮”。その第一人者であるフォトグラファーの山本直洋さんは、パラグライダーで北欧のフィヨルド、富士山、隠岐の島、北海道・羊蹄山などの大空を滑空しながら、その風景をファインダーに収めてきました。

今回は、「大自然の中に身を投じ、絶景と対峙することで得られる感動を、カメラを通して少しでも伝えられたら」と語る山本さんに、モーターパラグライダーからの“空撮”の魅力を伺いました。

空を飛ぶという“感動”を伝えるために……

空撮自体は、ヘリコプターやセスナからでも撮れます。最近では、話題のドローンでの撮影も可能です。

それでも自らモーターパラグライダーを背負って、撮影に挑む理由はどこにあるのでしょうか。山本さんは次のように言います。

「もともと僕の中にあるのは、“空を飛びたい”という思いなんです。中学生の頃、毎日のように夢の中で空を飛んでいたという時期もあるほどです。ヘリでもセスナでもドローンでも空撮はできますが、僕が大切にしている事は、“自分が空を飛んでいるんだ”という実感。そして、その時に得られる感動なんです」

ガラス越し、モニター越しに見る風景と、直に風や太陽を感じながら見る風景では、感動の度合いがまったく違うのだと話す山本さん。その感動を大切にするには、やはり自分でモーターパラグライダーを担いで飛ぶのが一番なのだそうです。

パラグライダーに乗っている山本さん。
パラグライダーに乗っている山本さん。

ドローンにはない、モーターパラグライダーの利点

「もちろん感動以外にも、モーターパラグライダーで撮るメリットはあります。ヘリやセスナでは、費用や許可申請の面でハードルが高くなりますし、水面ギリギリの高さなど、モーターパラグライダーでしか行けないところもあります。

ドローンとの違いは、実際にその場所に飛んでみないと知り得ない風景を見つけることができます。ドローン越しの視野では、“ベター”な撮影はできても、“ベスト”なものはなかなか撮れません。飛行時間や距離も、現状ではモーターパラグライダーに分があります」

ただし、ヘリやセスナにしか撮れないものや、ホバリングのできるドローンだからこそ撮れるものもあるのだとか。「そこに優劣はないので、何を撮りたいかによって、モーターパラグライダーを選んだり、ドローンを選んだりすればいいと思います」と山本さん。

規制はあまりないが、注意点も

では、モーターパラグライダーに関わる法規制はどうなっているのでしょうか?

「法的にモーターパラグライダーでの飛行が禁止されている場所は、日本では3か所です。原子力施設、皇居、飛行場の周囲半径9km圏内です。つまり、それら以外の日本の空は基本的には自由に飛べるということです」

カナダのユーコン準州で撮影した写真。
カナダのユーコン準州で撮影した写真。

ただし、離着陸地点の問題があるのだとか。

「上空を飛ぶこと自体は問題なくても、離着陸する場所に関してはそこの土地の所有者の許可が必要になります。自治体や国際機関などによって飛行が制限されている場所もあるので、初めての場所を飛ぶ時には事前にしっかりと調査する必要があります。

モーターパラグライダーに関する法的な規制があまりないからといって、好き勝手に飛んで何か問題を起こしてしまうと、新しい規制ができてしまう可能性があります。そうなった場合、業界全体に迷惑をかけてしまう可能性もあるので、最大限気をつけています」

モーターパラグライダーに資格は必要?

「モーターパラグライダーのライセンスはありますが、法律で定められているものではないので、ライセンスを取らずに飛んでも捕まることはありません。

しかし、きちんとしたスクールに通って、しかるべき指導を受けてからでないと、リスクへの対応ができないため危険でしょう。僕は栃木県にある、塚部省一さんが手掛けるスカイトライアルというスクールに通いました」

北海道で撮影した写真。
北海道で撮影した写真。

悪天候の際、バランスを失った時の対処法などは、経験者に教わらないと身に付けることは難しいようです。パラグライダーでの事故がニュースで流れることがありますが、ライセンスを取らずに自己流で行なっている場合が多いのだとか。スクールにかかる費用は、前出のスカイトライアルの場合、6か月間で64,800円のコースや、1回6,480円の体験コースなどがあるようです。

機材にはいくらくらいかかるの?

では、モーターパラグライダーの機材はいくらくらいなのでしょうか?

「機材は、エンジン自体が70~90万円くらいで買うことができます。羽となるパラグライダーが30~50万円。それ以外にも、ヘルメットや緊急用パラグライダーなど細かな備品が必要になってきます。これは僕の場合ですが、最初は一式セットのものを、中古で約120万円で買いました」

ぜひ空撮にチャレンジを!

山本さんは「地球を感じる写真」をテーマに撮影をしています。そこで撮れるものは、すべてが狙った写真ではなく、偶然にも、想像も出来なかったような臨場感あふれるものが撮れることもあるそうです。それは自分がその場に行って、足を踏み入れたからこそ撮れる写真だと言えるでしょう。

もし少しでも興味が湧いたという人がいれば、ぜひみなさんも一歩踏み出して、モーターパラグライダーでの空撮にチャンレンジしてみてはいかがでしょうか?

Information

山本直洋(やまもとなおひろ)

フォトグラファー。1978年東京生まれ。New York Pier59Studiosのスタジオマンとして勤務後、カメラマン助手を経て2008年に独立。モーターパラグライダーやスカイダイビングでの空撮を得意とし、写真だけではなく映画・CM・テレビ番組等の動画空撮も行なう。2015年にはキャノンギャラリー銀座・梅田・札幌の3会場で写真展を開催。
HP:http://www.naohphoto.com/
blog:http://ameblo.jp/naohphoto

スカイトライアル

塚部省一さんが指導する、空撮、モーターパラグライダー、パラグライダーなどのスカイスポーツのスクール。所在地は栃木県那須烏山市。

文・遠藤由次郎