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どんな場面でも大切なのは、自分らしさを出すこと

山本倫子さん

 専門学校を卒業すると、専属のフォトグラファーとして大手新聞社系列の出版社に就職。プロとしての活動をスタートさせました。

「仕事になると、自由に撮るのではなく、様々な制約があります。場所が限られていたり、依頼内容を守ることだったり…。失敗は出来ないという緊張感がいつもあって、責任感がとても重要なんだと感じました」

 1年目には社内のスタジオで本や雑誌などの物撮りを経験し、2〜3年目になると外に出て、人物のポートレイトやインタビューカットの撮影、またルポなども手がけるように。

「いろいろな経験を積む中で学んだのは、どんな場面でも自分のカラーを出していくことの大切さ。この人に撮ってもらいたいと思ってもらえるように、自分らしさとは何かを、今もいつも考えています」と山本さん。3年間の勤務を経ると、2012年4月からフリーランスでの活動をスタートさせました。

いつか、地域の人々に愛される、“街の写真館”をつくりたい!

山本倫子さん

「フォトグラファーという仕事の魅力の一つは、小学生の方からタレントなどの著名人まで“さまざまな人と出会える”こと。いろんな方と話すのは本当に楽しいし、勉強にもなります」

 こう話す山本さんは、最近になり小中高生のアルバム撮影をする機会が増えているそう。

「自分が昔“ヘタ”と思った写真が、実は学校側から求められていることでもあって、そこをいかに自分らしさを出して、打破していくかにチャレンジしています。重要なのは、やっぱりコミュニケーション。一人ひとりとしっかり向き合うことで、良い写真が撮れるんだと思います」

 そんな“コミュニケーション”を大切にする山本さんには、フォトグラファーとしての夢があるそう。

「個展の開催や写真集を出したいという思いももちろんありますが、一番の夢は“街の写真館を開く”こと。写真を見た人に、写された人のストーリーを感じてもらえるような、何となくほっこりとしながら楽しんでもらえる写真を、“その街の写真館”で撮りつづけられたら最高ですね」

Mini column

女性カメラマンは、今や人気職業!?

女性カメラマンの人口推移グラフ

特に資格などが必要とされる訳ではない“カメラマン”は、本人が名乗れば誰でもなることが出来る職業の一つ。しかし仕事があるかどうかは、その人の実力や人脈次第です。力の必要な職業でもあるため男性中心と思われがちですが、近年では蜷川実花、川内倫子をはじめとした女性カメラマンの活躍も目立つようになっています。またカメラのデジタル化や機材の低価格化に加え、美容やグルメ関連など女性ならではの感性が必要とされるシーンも多くなったことが、女性カメラマン増加の要因となっているようです。総務省「日本の長期統計系列」によると1990年以降は男性カメラマンの数が減少しているのに対し、女性カメラマンは1995年に1万人を超え、現在も増え続けている人気職業となっています。