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誰にも負けない美味しさにこだわる

おイシイ農園のミニトマト

 ミニトマトの魅力について、「あんなに小さな実ですが、無限の可能性を秘めているんです」と語る石井さん。鮮やかな色、微妙な味わい、そしてゆたかな栄養価など、見ても食しても魅力にあふれているといいます。

「クオリティファーストで、本当に良いものだけを追求しています。トマトが苦手な方でも食べられる高糖度のものや、食卓を賑わせる赤・黄・オレンジ・白・黒・緑・青など彩り豊かなものをお届けしています」

 ミニトマトは生き物で、自然を相手にするだけに苦労も多いと石井さんは話しますが、収穫の喜びや、食べた人の「おいしい!」という笑顔を見ることがやりがいに繋がっているそうです。

「今でも、両親に教わりながら新しい品種の生産を試行錯誤していますが、キレイな色合いや絶妙な味わい、これらを出すのには結局つくり手の感覚が重要なんです。手間ひまはかかりますが、小規模ながら少しでも多くの人に美味しさを味わってほしいと努力をつづけています。どこにも負けないミニトマトづくりにこだわっているんです」

 現在も世界中からさまざまなミニトマトの種を取り寄せ、理想のカラーや味わいを出すべく、日々トライをつづけているそうです。

ミニトマトの魅力をたくさんの人に届けたい

インタビューに答える石井さん

 新鮮なトマトを美味しく食べてもらうため、現在はインターネット販売を中止し、地元の茅ヶ崎エリアのお客さまに向け店頭販売でのみで扱っているという『おイシイ農園』。生産したミニトマトは、直売所やレストランなど、地元の多くの人々に選ばれています。

「以前はパーキングエリアや特産品店など、売り場が限られていました。しかし現在は『地産地消』という言葉も生まれ、またマルシェなども多く開催されるようになり、お客さまにミニトマトの美味しさを届けやすくなったように感じます」

 茅ヶ崎の清掃活動やイベントなどにも携わる石井さんは、地元の魅力をこう語ります。

「何でもあるけれど、特にこれといったものがない、何もないともいえる街です。一番の魅力は人だと思います。一人ひとりが本当にユニークで、茅ヶ崎に愛着を持つ人たちばかりなんです」

 これからも地元としっかりと繋がりながら、どこにも負けないミニトマトをつくって、人々を笑顔にしたいという石井さん。

「この場所でしっかりと頑張って、ミニトマトの魅力をもっと感じていただけたら嬉しいですね」

16代にわたって地元・茅ヶ崎で農家を営む。
ミニトマト専門『おイシイ農園』

  1. http://nouka.tv/0141farm
  2. 〒253-0071
    神奈川県 茅ヶ崎市 萩園1660
  3. TEL
    :0467-85-6020
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身近なところにチャンスが!?人気高まるマルシェ&直売所

地元の農産物や特産品を取り扱う「直売所」や、特定のテーマや幅広いジャンルの出店者を募って、定期または不定期で開催されるイベント的な市場「マルシェ」が、活況を呈しています。2005年に13,538カ所だった全国の農産物直売所の数は、2009年には16,816カ所(農林水産省調べ)に増加。その数は、コンビニ大手のセブン-イレブンの17,009店舗(2014年9月末現在)と肩を並べるほどになっています。地元に根ざした「直売所」や出店料は発生するものの客数の多い「マルシェ」は、商品さえあれば誰でも参加することが可能。それぞれの参加条件をクリアすれば、自分でつくった農産物や工芸品などを販売するチャンスとなり、その売れ行き次第ではビジネスが拡大していく可能性もあります。手間ひまかけてつくったものがあるならば、まずは「直売所」や「マルシェ」を活用して、お客さんの反応を見てみるのも良いかも知れませんよ!