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スイーツの楽しさを多くの人に届けたい!

パティシエ
横田 康子さん

小さな頃からお母さんとケーキやクッキーなどをつくるのが大好きだったという横田康子さん(34)。三姉妹の次女として育ち、お菓子をつくっては家族にプレゼントすることが楽しかったそう。中学生になると本格的にお菓子づくりを仕事にしたいと考えるようになり、高校を卒業するとお菓子づくりの専門学校に進学。学校で学びながら、さまざまな場所を巡ってスイーツの研究を重ね、地元・兵庫の洋菓子店に就職しました。現在は上京し、世界的に活躍するパティシエ辻口博啓氏のもとで、企業や結婚式場などさまざまなプロジェクトにおけるスイーツの商品開発を行なうほか、スイーツ教室で講師も務める横田さんに、仕事のやりがいや今後の夢などについてうかがいました!

食べても贈っても楽しいお菓子づくり

インタビューに答える横田さん

「子どものときから、お母さんと一緒にケーキをつくったりクッキーを焼いたりするのが大好きでした。自分で食べるのもそうですが、特に父や姉や妹に『美味しい』って食べてもらうのがとても嬉しかったのを覚えています」

 三姉妹の次女として育った横田康子さんは、お菓子づくりだけでなく、手作業で何かをつくることがとにかく好きだったそう。そのため、中学生時代に将来の進路を考えたときに、いろいろと就きたい職業があったといいます。

「何か面白いことを自分でつくり出すことが好きでした。中学のときに進路を考えたのですが、その際にはパティシエ、ガラス細工職人、エステティシャン…など、手を使って何かを生み出して人に喜ばれることがしたいと思っていました」

 でもそんな迷いを解決したのは、やはりお菓子づくりの楽しさだったといいます。

 「一番好きなことを自分で考えたら、やはりお菓子づくりでした。高校を卒業したらすぐに、お菓子づくりの学校に行こうと心に決めました」

 そしてその思いを実現し、高校生活を終えると大阪の専門学校に進学。お菓子に関する勉強をするために、実家の兵庫から往復4時間かけて通学するという、ハードな毎日がスタートしました。

販売の仕事もお菓子づくりの魅力の一つ

作業中の横田さん

 通勤ラッシュにもまれながらの通学でしたが、お菓子づくりの楽しさが勝って苦にはならなかったそう。

「それまでは趣味でしたが、お菓子づくりの勉強を本格的に始めて、たくさんの発見があったり自分の成長を感じたりと、充実の毎日でした」

 勉強熱心なところは学校以外でも生かされました。

「食べるのも勉強! といいながら、友人と本当にいろいろなスイーツを食べに行きました。授業が終わってからも毎日、何軒もハシゴをしながら食べ歩きました。そのおかげで今より相当に体重がありました(笑)」

 1年間の専門学校を終えると、ホテルや工場、結婚式場などさまざまな就職先が考えられるなか、地元に古くからある洋菓子店に就職。その理由は意外なものでした。

「自分がおいしいと思うケーキをつくっている場所で働きたいと思い、たくさんのお店を食べ歩きしましたが、地元にあった洋菓子店のバナナケーキが最高で、このお店で働きたいと感じたんです(笑)。お店に直談判をしたら『研修においで』と働かせてもらえることになりました」

 大好きなお菓子づくりでしたが、いざ仕事となると忙しさや厳しさに直面したそう。

「怒濤の日々の始まりでした(笑)。最初はケーキにフィルムを巻いたりショーケースに並べるといった仕事が中心でした。販売という新たな仕事も経験して、お客さまと直接触れ合うことができ、つくるだけでない喜びややりがいと出会えました。また、地域に密着した洋菓子店だったので、お客さまとの距離感もとても近く、ケーキで喜んでいただけるお客さまの反応を直接見たり聞いたりすることができるので、さらにつくることへの喜びが強くなっていきました」