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日本の繊細で美しいお菓子を究めたい

作業中の横田さん

 焼き菓子や生菓子などを手がけ地元の洋菓子店に3年ほど勤務すると、横田さんは運命に導かれるかのように東京で働くことになりました。

「東京でスイーツ巡りをしていたときに、雑誌やテレビで見た東京の有名店『モンサンクレール』の求人の張り紙を発見し、すぐにコンタクトをとったんです。するとタイミングが良くその場ですぐに面接をしてもらえて、自宅に戻ったら採用の連絡が来ていて…」

 以前から関西とはまた違った東京の彩り豊かなスイーツに憧れていて、いつかは東京で働いてみたいと思っていたこともあり、上京を決意。六本木の繁華街に住み、辻口シェフが六本木ヒルズにオープンするチョコレートショップでの勤務がスタートしました。

「チョコレートの繊細さと奥深さは本当に魅力的でした。メディアからの注目も高かったため、厳しい毎日の中でも自分たちのつくったスイーツが雑誌などに掲載されるのを見て、とても嬉しかったです。また、特別注文でお客さまのオーダーに合わせてさまざまな形状のものを作成することで、そういった“造る”方にも興味が強くなりました」

 その後、洋菓子の造形などを競うコンテストに出場して、準グランプリを獲得するなど受賞歴も増え、賞品の研修旅行ではフランス・ベルギー・スペインなどでパティシエの仕事に触れることに。

「その際に海外のダイナミックな洋菓子に比べ、日本のお菓子は本当に繊細で美しいと感じ、そこをさらに究めていきたいと思いました」

お菓子づくりの魅力を多くの人に伝えていく

インタビューに答える横田さん

 横田さんは2016年2月にフランスで開催される世界大会に出場予定。

「少しずつ実績を重ね、出場が叶いました。飴細工や大きなチョコレートの作品などを、男女ペアで2日間計18時間をかけてつくります。今から構想を練りつつ、ぜひ優勝したいと思っています!」

 現在その目標を抱きながら、辻口博啓氏が校長を務める「スーパースイーツスクール自由が丘校」で講師としても活躍中。

「週に3~5回ほど、スイーツ教室で講師をしています。主婦の方たちを中心に教えていますが、こちらもとてもやりがいを感じます」

 教室での触れあいを通して、お菓子をつくる楽しさや誰かに味わってもらう喜びなどを実感してもらいたいと話します。

「私がかつて、お菓子づくりをお母さんと一緒に楽しんだように、お菓子を通しての楽しみを、少しでも多くの人に伝えられたらと思っています」

 横田さんはこれからも、美味しさだけでなくお菓子づくりを通しての楽しさや感動など、スイーツが持つたくさんの魅力を発信してくれるようです。

スーパースイーツスクール自由が丘校

  1. http://school.super-sweets.jp
  2. 〒152-0035
    東京都目黒区自由が丘2丁目3-12 セレナヴィータ3F
    SUPER SWEETS SCHOOL 自由が丘校
  3. TEL:03-6421-3133 (平日10:00-17:00) FAX:03-3725-6307
Mini column

広がるスイーツ市場。女性パティシエが台頭!

商店街や住宅地にある個店をはじめ、量販店やコンビニ、駅ナカや高速道路など生活のあらゆる場所に密着し、いまや暮らしになくてはならない存在になっている“スイーツ”。その市場規模は、2008年度の2兆768億円から2014年度の2兆1,337億円(メーカー出荷金額ベース)と、着実に拡大をつづけています。

そんななか、お菓子づくりのプロである「パティシエ」も人気職業としてさらに定着度がアップ。2010年のパティシエの復元労働者数(調査回答労働者数から復元した推計数)が61,740名だったのに対し、2013年における数は79,950人となっています。

フランスでは「パティシエ」が男性を表すように、日本でもその職業のほとんどが男性で占められていました。その理由としては、見た目やイメージの華やかさとは異なり仕事が大変なことや、一人前になるために厳しい修業期間が必要とされることなどが挙げられます。

しかし今では日本におけるパティシエの女性の割合は増え、現在では約4割を超えるまでに。学生の8割以上が女性というパティシエ専門学校もあるなど、スイーツ人気とともに女性パティシエも増加しているようです。今回登場いただいた横田康子さんも「10〜15年ほど前から女性パティシエが増え、私のまわりでもパティシエの半分弱くらいが女性です。また最近では特に、女性のオーナーシェフやスーシェフ(副シェフ)が多くなっているように思います」と実感を話してくださいました。

女性の活躍の場が広がっているので、甘い物が大好き! という女性の方はチャレンジしてみては!?