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毎日の暮らしに、美味しさを届けたい

調理中の原田さん

「東京の方々のライフスタイルを考えながら営業を始めました」

 と語る原田さん。営業時間を午前11時から午後11時までと設定し、ランチタイムから夜に帰宅途中のビジネスマンなどのニーズに応えるようにしました。

「中津のお店のほとんどは住宅街にあって、営業時間もそれほど長くはありません。でも東京ではライフスタイルが違いますので、とにかく多くの人に気軽に味わっていただけるように考えました」

 大きめの国産の肉に、中津産の醤油と十種類以上の旨みをブレンドした特製のタレに漬け込み、揚げたてを提供することにこだわる『吉吾』。ニンニクを効かせた「元祖からあげ」、「手羽先からあげ」や「やげん軟骨からあげ」など種類も豊富。さらに週替わりメニューのオリジナル弁当もあり、今では常連さんも増えたそう。

「揚げたてはもちろんですが、冷めてからも美味しく食べていただけるように工夫をしています。現在では日々150〜200名くらいの来店があり、この土地にも定着できたと感じます。あるお母さんがご来店されて『今日ウチの子の誕生日なんだけど、吉吾のからあげが食べたいというので買いにきました』とおっしゃっていただいたときは、本当に嬉しかったです」

 東京で暮らす人々の生活の一部になりつつある、『吉吾』のからあげ。現在では地元の方々だけでなく、地方から訪れるお客さまも増えているそう。その理由は、コンテストでの金賞受賞でした。

国内だけでなく、視野を世界に向ける

インタビューに答える原田さん

 日本唐揚協会が主催する日本一美味しいからあげのお店をファン投票で決める『からあげグランプリ』で、2012、13年とつづけて金賞を受賞した『吉吾』は、さらに2014年に<東日本しょうゆダレ部門>で最高金賞を受賞。これがまた話題を呼ぶこととなりました。

「純粋に嬉しかったです(笑)。全国のからあげファンの方がわざわざ足を運んでくださることも多くなりました」

 有名店となった『吉吾』の味を、今では日本全国で楽しめる機会があるそう。

「日本唐揚協会主催の催事イベントに参加させてもらい、沖縄から北海道まで、さまざまな百貨店やスーパーなどで『吉吾』のからあげを味わっていただく機会を増やしています。今後さらにこういった活動に力を注いでいこうと思っています」

 国内での活動にとどまらず、原田さんにはこれからより大きな野望があるといいます。

「先日、オーストラリアのレストランでからあげを提供させていただきました。海外の方にもからあげは大人気で、今後もっといろんな国々で味わっていただこうと考えています」

 “からあげ”の美味しさを国内外に広めるだけでなく、世界に和食自体の魅力を発信していきたいと語る原田さん。活躍の舞台は、これからさらに広がっていきそうです。

大分中津からあげ専門店『吉吾』

大分中津からあげ専門店『吉吾』

  1. www.facebook.com/karaage.kichigo
  2. 〒170-0003
    東京都豊島区駒込2-14-8
  3. TEL:03-6903-4233
  4. 営業時間:11:00-23:00
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ご当地グルメで、ビジネス&街おこし!

“からあげの聖地・中津”のように、ご当地グルメが地域活性化の一翼を担うケースが拡大しています。テーマごとに日本全国で“サミット”が開催されるだけでなく、地域の観光地化が進み国内外の旅行客で賑わうなど、その地ならではの名物を活用し、ビジネスとして広げるチャンスが広がっています。

ご当地グルメの人気を競う『B-1グランプリ』の第4回大会でグランプリに輝いた、秋田県横手市の名物「横手やきそば」を例に見てみましょう。優勝後の1か月間、高速道路横手ICの交通量は前年同期比で約20%アップ(東日本高速道路会社調べ)。特に週末は遠方からの観光客が増え、「売上げが優勝前と比較して4倍になった」というお店も存在するほどでした。

また長崎県佐世保市では、『佐世保バーガー』や『海軍さんの入港ぜんざい』などのご当地グルメで人気や知名度を向上させつづけ、平成20年の観光客数が4,481,900名だったのに対し、平成25年には5,387,500名と大きく増加しました(佐世保市観光物産振興局調べ)。

あなたも自分の出身地にある、または眠っているご当地グルメを発掘して開業すれば、日常で美味しさを提供するだけでなく、地域活性化や街おこしに貢献できるかもしれません。地元を愛する人はぜひチャレンジして、あなたの愛する街を世界に発信してみては!?