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「空間づくり」で、たくさんの笑顔を!

空間プランナー
下國 由貴さん

小さな頃から絵を描くことや何かを手づくりすることが、とても好きだったという下國由貴さん(30)。子どもの頃の憧れは映画でもおなじみの『インディ・ジョーンズ』で、「誰も知らないことを見つけ、自分が最初に触れることに惹かれました」といいます。その後、ウィンドーディスプレイや空間スタイリングなどに興味を持ち、大学を卒業するとすぐに上京。雑誌広告の仕事や販売・接客などの仕事を経験し、「もっとモノやコト、空間をつくる仕事がしたい!」と、ディスプレイデザイン会社の大手、(株)乃村工藝社で働くことに。今では「少しずつ自分の想いをカタチにできるようになりました」と話す下國さんに、仕事のやりがいや今後の夢などについてうかがいました!

空間づくりという、やりがいとの出会い

インタビューに答える下國さん

 北の大地、北海道札幌市でのんびりと育ったという下國由貴さん。幼少期より絵を描くことやモノづくりに強い興味を持っていたそう。

「『インディ・ジョーンズ』に憧れて、秘宝というか文化の名残のようなものに惹かれていました。人が介在することで生まれるモノや空間に携わりたいと思いながら、どこでそれができるのか悩んでいました」

 大学を卒業すると「東京に行けばその方法が見つかるはず」と上京し、広告代理店でグラフィックデザイナーとしての仕事を開始しましたが、より“具体的なモノづくりに携われる仕事を”と世界のお茶を製造・輸入・販売するお茶の専門店に就職。下國さんはここでの仕事で視野がさらに広がったと話します。

「デザインの仕事は一人で集中して行なうことがほとんどでしたが、お茶の販売ではお客さまとのコミュニケーションがあります。ニーズや好みを把握して一人ひとりに合う茶葉をおすすめして喜んでいただいたときは、本当にやりがいを感じました」

 1年半ほど勤めると、六本木店に異動し店長に昇格。

「販売の他にカフェ・スペースもあるお店で、これまで以上にディスプレイの工夫や、店内で開催するイベント企画などを積極的に考えるようになりました」

 この頃から空間をいかに魅力的に見せ、その場でどんな楽しいことができるかを考える“空間デザイン”に、とても興味を持ち始めたそう。

もっともっと何かをつくる仕事を求めて

打ち合わせ中の下國さん

 店長として数年を過ごすと、「もっと空間デザインをつくっていくことや企画がしたい!」と、ディスプレイデザイン会社の乃村工藝社に移り、多種多様な空間やディスプレイを制作する仕事を開始しました。

「さまざまなコトやモノ、そして空間などをつくる仕事は“空間プランナーだ!”と、思いきって転職しました。はじめは本当に何も分からず、教えていただきながらできることは何でもやります! といった丁稚奉公のような感じでした(笑)」

 ショールームや展示会、企業PR施設などの“空間プランニング”を担当し、最初は資料づくりやアイデア出しの手伝いから始まりましたが、徐々に現場を任されるようになったそう。

「何か月もかけてできた計画が、目の前でカタチになっていく姿には感動しました。現場が始まると学園祭の前夜のようでワクワクの連続でした。また空間プランニングといっても、全体のコンセプトの立案、企画からデザイン、動線設計、映像、音響、照明、商品説明グラフィック…など関わるポイントは多岐にわたるため、それぞれのプロの方からたくさんの刺激をもらえることも楽しさの一つでした」

 クライアント(発注主)の意向をきちんと汲んで、そのテーマを“場”や“空間”に表現していくこと。そして、そこに訪れるお客さまに楽しんでもらうこと。そんな“空間づくり”の魅力に、下國さんはのめりこんでいくのでした。