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アイデアや表現で社会により良い変化を

WEBプロデューサー
布田尚大さん

デザイン会社に勤務し、WEBプロデューサーとして活躍する布田尚大さん。学生時代はテニスや社会心理学の勉強に打ち込み、卒業後には「ゼロから何かをつくる仕事がしたい」と、展示会を手がける会社に就職しました。その後、ソーシャルデザインやフェアトレードなどに興味を持つと、エシカル・ファッション・ブランドのブランディングや運営にボランティアとして参画。「さまざまな経験を積んで、ゼロから何かを生みだすことを追求していきたい」と話す布田さんに、仕事のやりがいやこれからの展望などについて伺いました!

自分の原点となった親友からの言葉

インタビューにこたえる布田さん

 エンジニアの父親、臨床心理士の母親のもとで育った布田尚大さん。小学生時代からテニスに打ち込み、大学では大きな大会に出場し好成績をおさめることも。将来、自分が何をしたいのかを考えたときに、「いろいろな選択肢のなか、母の仕事への興味もあり、ビジネス的なことよりも人の心や人間の多様性を学びたい」と考え、大学・大学院に進学し社会学や心理学を学ぶことに。

「その大学時代に親友から言われた一言が、今も自分の原点になっています。それは『良い成績をおさめることが勉強ではなく、まだ答えのないものや、自分自身が持つ疑問などに向き合ってその解答を求めることが本当の学びであり勉強だ』というものでした。とても衝撃的でした」

 就職活動にも、その言葉は強く影響したといいます。

「答えのないものに向き合ってみよう、自分の思考や考えを価値として提供できる仕事をしてみよう、と思いました」

 企画から携わることで、「ゼロから何かをつくりたい」という思いを実現できる展示会を手がける会社に就職。未知なる業界に身を置いての仕事がスタートしました。

何もないところからカタチをつくる喜び

インタビューにこたえる布田さん

「最初は怒られてばかりの日々でした(笑)。何をして良いのか分からないことも多く、まずはとにかく最初の3年間で仕事力をアップさせようと心に決めました」

 取扱製品やその会社、さらには業界のことを研究し、何をどのように見せればより魅力的で認知も広がるのかといった点に力を入れるようになったそう。

「何もないところから企画をしてアイデアを積み重ね、カタチにしてお客さまや関係者に喜んでもらう。そこにとてもやりがいを感じました」

 6年ほどの経験を積むと興味はさらに広がり、ソーシャルデザインや社会貢献に意識が向くようになったといいます。休みの日などを活用して、“プロボノ”と呼ばれる経験やスキルを生かしたボランティア活動に従事することになりました。

「ボランティアというとゴミ拾いなどのイメージが強いのですが、より専門性を生かしたボランティアが“プロボノ”です。私は環境保全や社会貢献を考えた“エシカル・ファッション”のブランド『inheels』で、マーケティングやプロモーションに“プロボノ”として参画しました」

 そういった活動をつづけるうちに、新たな可能性を求めて考えたのが、WEB業界への転職でした。