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一つでも多くの笑顔を増やしたい

看護師
明畠珠由さん

高校生の時に先生から「看護師に向いている」と言われたことをきっかけに、看護や医療の世界に興味を持ったという明畠珠由さん(35)。それまでは考えもしなかったという看護の短期大学に進学すると、現場の大変さを実感しながらも、仕事に楽しさややりがいを強く感じることに。「看護師の仕事をこれからもやりたい!」と、卒業後には病院での勤務をスタートさせました。その後、英語での看護も必要と海外留学を経て、現在も看護師として活躍する明畠さんに、仕事のやりがいや大変さ、そして今後の夢などについてうかがいました!

恩師の一言で看護の世界へ

インタビューにこたえる明畠さん

 東京・巣鴨で生まれ育ったという明畠珠由(あけはた たまゆ)さん。高校時代はテニスに打ち込み、ちょうど進学やこれからの将来を考えていたときのことでした。

「進路相談をしているなかで、先生から『明畠は看護師に向いている』って言われたんです。その頃はまったく考えもしない道でした。どうして先生がそう思ったのかは分かりません。巣鴨出身で地域の人と仲が良かったり、人と話すのが好きだったり、あとはテニス部の練習を休まずに頑張ったりとか、そのくらいの理由しか今でも思いつかないんです(笑)」

 しかしその先生の一言が、明畠さんの将来を決定づけることとなったのでした。

「やってみようと決意して、看護の短期大学に進学しました。最初の1年は教室での座学がメインだったのでそれほど楽しさを感じなかったのですが、2年目からの実地研修で大きく変わりました。看護師の仕事って、なんて楽しくて、なんてやりがいがあるんだろうって強く感じたんです」

 在学中は高齢者ケアなどを主に経験し、自分の仕事を通じて喜ばれたり感謝されたりすることに、とてもやりがいを感じたそうです。そして卒業後には、専門病院で看護師としての仕事をスタートさせました。

いつでも役立てられる看護師の仕事

店舗で販売している野菜

「医療や看護の現場と一言でいっても、内科・外科をはじめ、さまざまな種類があります。そのなかでも、私はガン専門病院を選びました。高いレベルでの仕事が不可欠な現場で、一生懸命に働いてみたいと感じたからです」

 病院では毎日の入院患者さまのケアはもちろん、“オペ出し・オペ迎え”と言われる入院患者さまの手術前後のケアやターミナルケア(終末期看護)など、忙しい日々だったといいます。

「特に辛かったのは体力面。日勤・夜勤を繰り返し、たまの休日はバタンと眠るという日々でした」

 また病院の特性上、患者さまとの別れを幾度も経験されたそうです。

「救われたのは、みんなで涙できる環境だったことでした。ご家族やドクター、同僚と、みんなで想いを共有して思い切り泣きました」

 現実の辛さを経験しながらも、看護師の仕事はやはり素晴らしいと感じていたという明畠さん。

「患者さまの役に立って感謝されるという嬉しさはもちろんですが、私生活でも自分の知識やスキルが役立てられるようになりました。両親や祖父母、親戚などが体調を崩したときにケアをすると、『助かった』と本当に喜ばれました。看護師の仕事は職場だけでなく、いつどんなときにも役立てることができる、素晴らしい職業だと実感しました」