気候変動への対応(TCFD提言への賛同と取組み)

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当社は、2021年12月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同し、推奨されたフレームワークをもとに気候関連のリスクおよび機会に関する情報開示を行い、気候変動リスクに対する対応を進めております。

ガバナンス

  • 気候変動問題への対応を含む「環境保全への貢献」を当社グループのマテリアリティの1つとして認識し、マテリアリティに対する各取組みを基本方針としてSDGs/ESGに関する推進を行っています。
  • SDGs/ESGに関する取組みは、経営重点モニタリング項目として、総合企画本部が進捗状況を管理し、定期的に業務執行会議に報告するとともに、取締役会において取組状況をモニタリングしています。
  • 気候関連のリスクおよび機会については、総合企画本部長を委員長とする統合リスク管理委員会において、進捗状況を管理し、その内容は定期的に業務執行会議および、取締役会にて報告・審議を行っています。

戦略

当社では、気候変動関連の「リスク」と「機会」を次のとおりに整理し、特にポートフォリオにおいて影響の大きい「物理的リスク」に関して、優先的にシナリオ分析を行いました。

気候変動リスク

• 移行リスク

脱炭素社会への移行の過程で気候関連の政策および規制強化等の影響により、お客さまの信用リスクが増加する可能性を認識しています。2024年3月末現在、スルガ銀行の与信残高に占める炭素関連資産(電気、ガス、エネルギー等の割合)は、0.1%未満であり、影響は限定的であると認識しています。

• 物理的リスク

気候変動に起因する水害等の自然災害により、お客さまの事業停滞に伴う業績の悪化や担保価値の毀損等により、信用リスクが増加する可能性を認識しています。

物理的リスクに関するシナリオ分析

リスク
イベント

洪水の発生(水害リスク)

使用した
シナリオ

IPCC報告書におけるRCP8.5(4℃シナリオ)

分析対象

日本国内にある個人向けの不動産担保物件(約4万件)

分析方法

担保物件所在地とハザードマップを重ね合わせ、大規模洪水等が発生した場合の担保価値毀損や事業停滞による与信費用増加額を試算

分析結果

2050年までの与信費用増加額は、最大で27億円程度であり、影響は限定的であると考えられます。

機会

お客さまが気候変動に適応するためのサステナブルファイナンスやトランジションファイナンス、脱炭素社会への移行を支援するソリューション提供等により、ビジネス機会を創出していきます。

サステナブルファイナンス 取組事例

  • 芙蓉総合リース株式会社に対するシンジケーション方式DBJ-対話型サステナビリティ・リンク・ローン ※1 への参加

その他ソリューション提供に向けて

  • スルガSDGs取組支援サービス ※2
  • CO2排出量可視化・削減サービスプラットフォームを提供するe-dash株式会社を紹介
  1. お客さまのESGやSDGs戦略に整合した取組目標として、「キー・パフォーマンス・インディケーター(KPI)」と「サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPTs)」を設定し、SPTsの達成状況に応じて、金利などの貸出条件を連動させる融資です。
  2. 事業活動におけるSDGsに係る取組状況を診断し、SDGs宣言書の策定および対外PRを支援するサービスです。

リスク管理

  • 気候変動リスクを当社の事業運営、戦略、財務計画に大きな影響を与える重要なリスクの1つと位置付け、統合的リスク管理の枠組みで管理する態勢の構築に取り組んでいます。
  • 気候変動リスクによる当社の貸出金への影響を踏まえた信用リスク、当社の有形固定資産にかかるリスク、オペレーショナルリスク等の管理態勢の構築に取り組んでいます。
  • 環境や社会に負荷を与える可能性が高いセクターへの投融資は、投融資方針(セクターポリシー)に基づき、検討します。

指標と目標

スルガ銀行ではCO2排出量の削減に取り組んでいます。

  • 2022年度のCO2排出量は4,051t-CO2であり、約46%の排出削減(2013年度比)を達成しました。
    2030年度のCO2排出量の目標は、2013年度比46%削減に設定しておりましたが、エコオフィス化やCO2フリー電気の導入などの取組みにより、早期に目標水準に到達したことを踏まえ、2013年度対比75%削減に目標を引き上げます(2024年4月更新)。
  • 2023年度のCO2排出量は1,827t-CO2であり、約76%の排出削減(2013年度比)を達成しました(2024年11月12日更新)。
  • モニタリング指標:Scope1(直接)+Scope2(間接)のCO2排出量
  • 集計範囲:スルガ銀行の全営業店、全本部

当社の温室効果ガス(CO2)排出量推移:Scope1・2

当社の温室効果ガス(CO2)排出量推移:Scope1・2