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2013 Dec.4
Be Unique! ~オンリーワンであること~ Vol.4

フリーポアラテアート
世界チャンピオン澤田洋史の冒険

『Be Unique!』特集では、毎回、「オンリーワン」な人や企業を訪問。その価値と魅力に迫ります。なぜオンリーワンなのか、どうやってオンリーワンな存在になりえたのか…。そこにはきっと、ほかにはない「夢」や「ストーリー」があるはずです。

今回取材に伺ったのは、東京・渋谷のコーヒーショップ「STREAMER COFFEE COMPANY」。代表の澤田洋史さんは、2008年にラテアートの世界大会で、アジア人初・歴代最高得点でチャンピオンになりました。当時、日本では広く知られていなかった、ミルクピッチャーのみで繊細な絵を描くフリーポアラテアート。澤田さんは、どのようにしてその存在に出会い、極めたのでしょうか?そして、今後の夢とは?インタビューのラストでは、ラテアートに挑戦したい人へのアドバイスも伺いました。

フリーポアラテアート世界チャンピオン 澤田洋史の冒険

「好きなことを仕事に」
その思いが、キャリアのはじまり

澤田さんインタビューの様子

「STREAMER COFFEE COMPANY」へ取材に伺ってまず目にしたのは、海外からの旅行客に囲まれ、写真やサインを頼まれていた澤田さんの姿。澤田さんに尋ねると、日本はもちろん、世界各地からコーヒー好きや同業者がショップを訪れるのだそうです。44歳にして、ワールドワイドに活躍する、澤田さん。しかし、社会人になってしばらくの間は、コーヒーと関わりのない仕事をしていたとか。

「大学時代、初めての海外旅行でアメリカに行ったんです。そのとき、スーパーマーケットで、あらゆる商品のサイズが大きいことに驚きました。僕は大阪出身で、食べることが大好き。そんなこともあって、当時はまだ日本で見ることの少なかったアメリカのお菓子などが、すごくお洒落で新鮮だったんです。

その後、青山の紀ノ国屋を訪れたら、アメリカで見たのと同じクッキーなんかが並んでいて。『ここで働いたら、全部食べられるんちゃうん!?』と軽いノリで、就職先を決めました。それに、『好きなことを仕事にしたい』と考えていたので、「食べること=食品関係」を選んだんです」

紀ノ国屋では、チーズのバイヤーを担当。就職からわずか数年後には、当時世界最年少でフランスチーズ鑑評騎士(シュヴァリエ デュ タスト フロマージュ)の称号を贈られたといいます。

「これは、フランスチーズの普及に貢献した人物が頂ける称号。就職したときには、チーズを担当するとわかっていたわけではないし、詳しかったわけでもありません。でも勉強していくと、歴史があったり、色々な食べ方があったり、すごく面白いんですよ」

「STREAMER COFFEE COMPANY」の店内の様子
自身の好きな“食べること”と“アメリカへの憧れ”からスタートした、澤田さんのキャリア。
「STREAMER COFFEE COMPANY」の店内も、髄所にアメリカらしさが散りばめられている。

安泰よりも冒険を選んだ先に
ラテアートとの出会いがあった

ラテアートとの出会い

その後、チーズの知識を活かし、雪印乳業に転職した澤田さん。しかし、31歳のときに転機が訪れます。

「働くなかで英語にコンプレックスを感じていたので、一度仕事をリセットし、アメリカに留学することにしました。選んだのは、ビジネスも勉強できる学校があるシアトルです」

「サラリーマンを辞めて、親にはあれこれいわれた」という澤田さんですが、自身のなかで迷いはなかったとか。

「親の世代は、ひとつの会社に定年までいて退職金もらって…っていうのが当たり前ですよね。でも今は、安泰を求める時代じゃない。ただし、行ったからには何かを手に入れて帰ってこようと思っていました」

その決意と行動は、ラテアートとの出会いという、予想外の“何か”を与えてくれたそうです。

「シアトルではよくチェーンのコーヒーショップに行っていたんですが、その日はたまたま小さな個人店に入ったんです。そうしたら、Tシャツの裾からタトゥーを覗かせ、鼻にピアスをつけたバリスタがいて。ラテを注文したら、見事な手さばきでエスプレッソを抽出し、ミルクの注ぎだけで絵を描いた。そのバリスタの容姿と繊細な動きのギャップに、やられましたね。さらに飲んでみたら、今まで飲んだことがないくらい美味しかったんです」

すっかり感動した澤田さんは、その店の常連になり、やがて店員として働くことに。ラテアートの面白さはもちろん、ストリートファッションで働くバリスタたちのスタイルも魅力的だったと話してくれました。

「シアトルは、アウトドアスポーツの盛んな土地。バリスタも、スケートボードで出勤するような人たちが多い。僕もスケートボードやスノーボードをするので、同じ匂いを感じたんです。

ミルクピッチャーひとつでカップのふちぎりぎりまでミルクを注ぐラテアートも、スポーツと同じようなスリルがありますね。体で技術を覚えていく点も、似ています」

「STREAMER COFFEE COMPANY」の無骨な内装は、シアトルのコーヒーショップをイメージしたもの。キッチンはフルオープン仕様になっており、ラテづくりのライブ感を味わうことができる。飾られたスケートボードも、象徴的だ。

技術を高めるためには
厳しい目で“日々成長”を心がける

ラテを作る澤田さん

約1年の留学を終え日本に戻った澤田さんは、「DEAN&DELUCA」に就職。さらに数年後には、カフェのコンサルタントとして独立し、よりコーヒーの知識・技術を高めようと、再びシアトルを訪れるようになったそうです。

「日本とアメリカを行ったりきたりしながら、コーヒー修行を積んでいました。そんななか、向こうで偶然、ラテアートの選手権を目にしたんです。でも、全然たいしたことなくて。『俺が出たら優勝するんちゃうか?』と思ったのが、出場するようになったきっかけなんです」

しかし、実際に出場してみると、指定されたマシーン・豆・ミルクを使い、テレビカメラやギャラリーが囲むなかでつくることの難しさを痛感することに。以降、チャンピオンになるまでの6年間は、ひたすら練習の日々だったとか。

「お風呂にもミルクピッチャーとカップを持ち込んで、湯船のお湯を注いでみたり。ミルクピッチャーが体の一部になるまで、練習するんです。メンタルトレーニングも積み、さまざまな大会に出場し続けました。チャンピオンになるまでに、6年ほどかかりましたね」

ストイックに自らの成長を追求してきた、澤田さん。その姿勢は、現在でも変わらないといいます。

「技術は上がっているけど、自分の目もどんどん厳しくなっているので、チャンピオンになってからも、ホンマに納得できるラテができるのは1週間に1杯ぐらい。でも、100杯中100杯完璧なものができてしまったら、飽きちゃうと思うんですよ。

日々の仕事も、同じようなことを意識していますね。スタッフにもよくいうのですが、興味のあることやラテづくり以外であっても、作業になってはいけない。昨日よりも短い時間で終わらせるとか、創意工夫・目標を持って行うことが大切だと思うんです」

「STREAMER COFFEE COMPANY」の店内の様子

スポーツもラテアートも同じ
恐怖に捕われたら、成功できない

澤田さんインタビューの様子

チャンピオンになった2年後、澤田さんは「STREAMER COFFEE COMPANY」を出店し、今年は4店舗目をオープン。すでに多くの夢を叶えてきた澤田さんですが、現在の目指す場所はどこにあるのでしょうか…?

「今は、ラテアートの普及と海外出店が目標です。最初の店をオープンするときは、シアトルの西海岸にあるようなコーヒーショップを目指していたんですが、今度は、日本的な要素も合わせて海外に出ていこうと。グリーンティ・ホワイトチョコレート・エスプレッソを使った、迷彩柄のラテなどを考えています」

ラテアートの面白さを、「恐怖にとらわれたら成功しない。スケートボードやスノーボードのようにラテも余計なことを考えたら、きれいに仕上げられないんです」と語ってくれた澤田さん。オリジナリティ溢れる存在になるために必要なことは?とたずねると、「安定だけ求めて、リスクをとらない行動力の無い人っているじゃないですか。でもやっぱり、お金と時間は自分に投資して、感度を磨かないと。そして、挑戦し続けないと」と答えてくれました。失敗や未来への恐れにとらわれず、チャレンジを重ねていく。それこそが、澤田さん流の“オンリーワンになるための秘訣”といえそうです。

「STREAMER COFFEE COMPANY」の店内の様子

〈澤田洋史のラテアートLecture〉

〈澤田洋史のラテアートLecture〉

インタビューのなかで、「ラテアートはスポーツのようだ」と語ってくれた澤田さん。それゆえ、飽きることのない面白さがあるとか。ここではその魅力とともに、自分でラテアートを楽しんでみたい方のためのアドバイスをお伝えします。

美しいラテアートは、美味しさの証明

美しいラテアートは、美味しさの証明

澤田さんはシアトルに留学するまで、ピックを使って絵をつくったラテしか見たことがなく、コーヒーにこだわりがあったわけでもないそう。しかし、注ぎだけで描くラテアートに出会い、スポーツに似たスリルとともに、こんな奥深さを感じたといいます。

「ラテアートは、見た目の美しさと味が比例します。まず大切なのは、エスプレッソの抽出。きれいなエスプレッソは、マガホニーブラウンと呼ばれる赤味の強い茶色をしています。そのキャンバスに対して、ミルクは絵筆。注ぎだけで描くためには、肉眼で泡の形がわからないほど細かく、滑らかな舌触りの泡立ちであることが欠かせません。

また、同じ仕上がりには二度と出会えない点が、ラテアートの面白さ。豆の状態・挽き方は湿度によって変わり、注ぎ方でもアートに差が出てくる。だから、毎日やっていても飽きることがないんです。今は、家庭用のエスプレッソマシーンも進化しているので、ミルクを蒸気で温める機能が付いているマシーンを使って、ラテアートを楽しんでみるといいと思います」

自宅でラテアートを楽しむコツ

■コーヒー豆の種類
焙煎がやや深めでビター感のあるもの、酸味は少ない豆が、ミルクの味わいとマッチします。

■ミルクの種類
きれいに泡立つよう、成分無調整、もしくは3.6のミルクがオススメです。

■ミルクの温度
温め過ぎるとミルクの甘みが飛んでしまうので、店でのミルクの温度は、61~62度。温度計を使い、最適な温度まで温めます。

■カップのサイズ
初心者は、比較的小さめのカップからスタートを。アートのアラが目立ちにくいため、きれいに仕上げやすくなります。

■注ぎ方
エスプレッソのブラウンを崩さぬよう、そっと注ぐように。かつミルクの滑らかさが失われないよう、スピーディーに描き終えるのがポイントです。まずは、基本のハート型をひとつ描くことからスタートしてみてください。

「STREAMER COFFEE COMPANY」の店内の様子

Information 1

澤田 洋史 氏

ラテアーティスト、バリスタトレーナー&カフェコンサルタント
大阪府出身。近畿大学商経学部経営学科卒業後、紀ノ国屋インターナショナルに入社。当時、世界最年少の25歳でフランスチーズ鑑評騎士(シュヴァリエ デュ タスト フロマージュ)の称号を叙任。雪印乳業(広報部)、ディーンアンドデルーカ ジャパン(MD)を経て現職。2008年、フリーポアラテアートワールドチャンピオンに。2010年、「STREAMER COFFEE COMPANY」をオープン。著書に、『ベーシックバリスタブック』『Hiroshi's ラテアート&バリスタスタイル』(ともにトランスワールドジャパン)など。

公式ブログ
http://blog.pakila.jp/hiroshisawada/

Information 2

STREAMER COFFEE COMPANY

渋谷のほか、原宿・大阪などにも店舗を構えるコーヒーショップ。メインメニューは、ほろ苦いエスプレッソとなめらかなミルクの組み合わせが美味しい「ストリーマーラテ(550円)」。コーヒービーンズ、ミルクピッチャーなどの販売も。

公式サイト
http://streamercoffee.com

「STREAMER COFFEE COMPANY」の外観

Information 3

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