特集
2014 May.31
Topic on Dream ~夢に効く、1分間ニュース~ Vol.29
エストニアリーグ所属の日本人サッカー選手が合同トライアウトを主催する理由
ヨーロッパの北東部、バルト三国の一つであるエストニアのサッカーリーグでプレーする和久井秀俊選手。彼が代表を務める株式会社WASEが、5月27日(火)~29日(木)に海外クラブのスカウトを日本に招き、合同トライアウト(入団テスト)を企画・実施することが決まりました。でも、どうして現役のサッカー選手がトライアウトを企画したのでしょうか?その理由について、和久井選手本人に伺いました。

さまざまな価値観に触れることが人生を豊かにする
──近年、海外リーグでプレーする日本人サッカー選手が増えていますよね。そんな中、なぜ和久井さんは、このような合同トライアウトを主催しようと思ったのでしょうか。
「第一は、選手へのチャンス拡大です。日本サッカー界が抱える課題は、グローバルな視点、ビジネス的な考え方、人材育成、マネジメントにあると僕は思っています。現在、このプロジェクトはトライアウトという形で日本人サッカー選手の海外移籍のサポート活動を行なっていますが、中長期的には先に述べた課題を解決することが目的です。より多くの海外クラブや選手を交えながらサッカーを通じた経済活性化、社会の発展を目標としています」
──そういった考えになったのは、ご自身の経験からなのでしょうか?
「私の経験との関連性はもちろんありますが、僕のような選手を一人でも多くということではありません。海外でさまざまな価値観に触れることは、第二の人生や社会貢献に繋がると強く感じているのです」
──海外でプレーすることで、どんな経験が得られるのでしょうか?
「海外での生活やプレーはサッカー選手としてだけでなく一人の人間として、成長できる機会にあふれていると思います。言葉が通じない海外では何事も自分で判断し、実行していかないといけません。こういう状況下では、自分を俯瞰することや、“自律性”を養うことにも繋がります。さらには、日本と違う生活習慣・治安・気候風土で生活することで、リスク管理もできるようになります。そのために、もっともっと多くの選手たちが海外でプレーできるようサポートしていきたいと思っています」
合同トライアウトについては、もちろんサッカー選手に対しての取組みですが、海外生活で得られるメリットは、サッカー選手だけではありません。さまざまな価値観に触れて、自分を見つめ直したり、自分の社会的な位置づけを客観的に見てみることは、人生を豊かにするために必要なのかもしれませんね。