テントサウナが生まれた意外なきっかけとは？

キャンパーやサウナー（サウナ愛好家）たちの間で流行りつつある「テントサウナ」は、フィンランド生まれのアウトドアギア。まずは大西さんに、その発祥から教えていただきましょう。

「はじまりは、軍用サウナだったそうです。フィンランド人は大のサウナ好きで、国民500万人に対してサウナが300万室もあるほど。サウナがないと兵士の士気があがらないので、フィンランド軍は、自陣に手作りでサウナ小屋を建てていました。その一つとして、耐熱テントと薪ストーブでつくるテントサウナが生まれたようです」

フィンランド人にとってサウナは人生の一部！？「いつでもどこでも手軽にサウナを楽しめる！」というメリットがウケ、一般にも普及していったわけです。

「日本人にとってのお風呂と似ていますよね。湯船に浸からないと、一日の疲れが取れた気がしないという人も多いはず。もともと日本の風呂は、蒸気で満たした室（むろ）がルーツともいわれますから、サウナも日本人に合うリラクゼーションといえるかもしれません」

心身が“ととのう”サウナトランスの醍醐味

続いては、キャンプ場でのサウナキャンプの楽しみ方について。

「サウナキャンプに適したロケーションは、焚き火・水遊びOKの水辺のキャンプ場。地面に、直接サウナ用のテントを建てて、薪ストーブを入れて煙突につなげます。薪ストーブの上に蓄熱性の高い香花石などのサウナストーンをのせて薪をくべます。テント内が80度くらいに達したら、待望のサウナタイムです！」

80度とは、かなりの高温…！くわえて、スパなどでも人気のこんなリラクゼーションを行なうのが、おすすめとか…。

「この温度が心地いいのです。さらに、高温になったサウナストーンに水をかける『ロウリュ』（上の画像、右下）を行なうと最高。蒸気がジュワーッと立ちあがって体感温度が上がる。汗が噴き出てきますよ。僕らはロウリュでかける水に、ミントや柑橘系のオイルを数適垂らして香りも楽しんでいます」

サウナキャンプの基本の流れは、
①サウナ浴（6～10分ほどテント内で温まる。ロウリュもこの際に）
②冷水浴（川や湖に入り、ほてった体を冷やす　※上の画像、左上）
③外気浴（岸辺で横たわって休憩　※上の画像、右下）が1セット。
これを3セットほど繰り返すといいます。

「気持ちよさが、最高潮に達するのは外気浴。全身のすみずみまで血液がめぐり、じんわりと身体が温まり、心地よくなってきます。身も心もニュートラルになり、五感が研ぎ澄まされ、満たされ感が湧いてくる。“サウナトランス”ともいう状態をサウナー用語で『ととのう』と表現します。自然の中で“ととのう”ことこそ、サウナキャンプの醍醐味なんです」

サウナキャンプをはじめたことで「人生が変わった」（！）とまで語る大西さん。大西さんにとって、サウナは心身にどのような影響を与えてくれたのでしょうか。

「サウナキャンプを体験した人の多くに共通することですが、オープンマインドになって気持ちが明るくなります。僕は、サウナキャンプを通じて友達が数十人も増えました。

そしてサウナを通じて、自然に遊んでもらっている感もありますね。アウトドアでのサウナの魅力は、焚き火があって、自然を流れる水があって、風を全身で感じられること。サウナキャンプは自然と一体化する装置だと、僕は考えているんです」

肌寒い季節は、とくにサウナキャンプには絶好の季節です。今後ますます人気が高まる可能性を秘めた、サウナキャンプ。アウトドア好きの方は、是非注目してみてください！

写真・Kohei Soeda / Sauna Cool

※実際に行なう際は、安全や規則、健康状態などに充分ご注意ください。

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Information

Sauna Camp.

キャンプ＆サウナを愛するユニット。テントサウナの楽しさを伝道するため、全国のフィールド＆サウナで活動中。サウナキャンプのハウツーやテントサウナの購入法、おすすめのスポット、イベント情報など多岐にわたって紹介している。