特集

2017 Aug.10
Topic on Dream ～夢に効く、1分間ニュース～ Vol.201

自分の空想がカタチにできる！？夢の“ツリーハウス”

世界で活躍するツリーハウスクリエーターの小林崇さんに聞く、ツリーハウスの魅力とは？夢をカタチにした、その作品の数々をご紹介します。

1人10万円から叶う、ツリーハウスの建て方

株式会社ツリーハウス・クリエーション代表の小林さんは、25年来、国内外でツリーハウスを建ててきた日本における第一人者。小林さんを魅了するツリーハウスの魅力とは…？

「ツリーハウスとは、生きている木を基礎（土台）にして造られた建造物。建築基準法でいう、建築物や住居ではないからこそ、空想のままデザインできて、自由に使えるメリットがあります。ただ、生きている木に“間借り”しますから、木の成長や枝ぶり、気候を考えてつくる必要がある。人間の創造物でありながら、自然の一部でもあるのがツリーハウスの魅力です」

ツリーハウスを建てるためには、どんな条件が必要でしょうか？

「少なくとも合計10畳くらいの道具置き場と作業場、そして木が必要です。木は太いほどいいのですが、複数の木を支えにしたり、支柱を入れたりすることもあります。それぞれの木に応じて、建物の構造や大きさは決まってきます」

費用は、構造や大きさ、キッチンや暖房など、備え付ける設備によりけり。仮に仲間4・5人でセルフビルドするなら、ホームセンターで材料や工具を買い揃えたとして、大体1人10万円弱持ち寄れば、結構立派なツリーハウスがつくれるといいます。

「私が制作を依頼された場合は、予算を示してもらえば、その範囲で考えることもできます。監修やディレクションを私が担当し、所有者となる方がセルフビルドしたり、あるいは私の方で土台だけをつくったりする方法もあります」

おすすめ記事：ジャングルや世界遺産に！？国内外にある〈驚きの宿泊先〉

小林さんが手がけたツリーハウスの数々

■沖縄・今帰仁村：やんばるの森に佇む秘密基地

沖縄のリュウキュウエノキに建つツリーハウスは、アルミやタイルを取り入れたデザインで秘密基地のよう！頂上からは空・海・森が一望でき、床は地面が見下ろせるスケルトン構造になっており、その高さを体感できます。

■東京・白金：都会に佇む奇想天外なツリーハウス

星型のツリーハウスの内部に入ると、時空がねじれたように壁や天井が迫る不思議な構造。アンティークのステンドグラスからこぼれる木漏れ日がレトロな雰囲気を醸しています。

■神奈川・茅ヶ崎：どんぐりの木の遊び場ツリーハウス

どんぐりの木に建てられたツリーハウスは『トム・ソーヤの冒険』のような原始的なスタイル。木の成長を妨げないよう、建物の床をくり抜いてつくられています。

■北海道・空知：おとぎの国のツリーハウス

とんがり帽子をかぶったようなツリーハウスは、谷間にある樺の木に建ち、吊り橋から車椅子でも出入りできるようになっています。室内はロフトや薪ストーブがあり、漆喰や無垢材などの天然の素材を使っています。

小林さんのツリーハウス、デザインの源流は“空想の家”にアリ

小林さんのツリーハウスは、アニメやアートに出てきそうな空想の家を体現した造形が特徴。その独創性が評価され、世界からオファーが舞い込んでくるそう。なぜ、ツリーハウスを手がけるようになったのでしょうか。

「“木の上にある小さな家”が描かれた絵との出会いがきっかけでした。その絵に惹かれてしまったのです。その後、古着屋やバーを営みましたが、『自分が本当に求めることは何だろう』と考えるたびに、心に浮かぶのはあの小さな家でした。そして35歳で、ツリーハウスの世界に入ったのです」

自由な生活への憧れが、小林さんをツリーハウスへと導いたようです。

「若い頃から社会から離れ、好きなことを追求する生き方をしてきました。かつて原宿で開いたバーは『エスケープ』という名でしたが、ツリーハウスもまた現代人が“エスケープ”できる場所。ツリーハウスで、風や木漏れ日や木の匂いを感じると、それだけで満たされる喜びがありますね」

Information

ツリーハウスクリエーター・小林崇

日本のツリーハウス第一人者。独創性あふれるツリーハウスは、国内外で高い評価を受けている。アメリカ・オレゴン州で開催されるツリーハウスの国際イベント「WTC（World Tree house Conference）」に日本から唯一参加。初期メンバーとして、自身のクラスも持つ。ジャパン・ツリーハウス・ネットワーク創設者、株式会社ツリーハウス・クリエーション代表。日本、オーストラリア、アメリカ、中国などで160以上のツリーハウスを手がける。

ツリーハウスの基礎知識に関しては、同社HPに詳しく掲載されている。

特集