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2017 Oct.19
Topic on Dream ~夢に効く、1分間ニュース~ Vol.210

最新科学の力で「流れ星」と必ず出会える時代到来する!?

最新科学の力で「流れ星」と必ず出会える時代到来する!?

スーパームーンや日食など、宇宙を感じる天体イベントは、いくつになっても心躍るもの。なかでもロマンチックなのが“流れ星”。そんな流れ星と、必ず出会えるようになるかもしれません。夢のような話を実現すべく活動しているのが、株式会社ALE・代表取締役社長の岡島礼奈さん。同社が取り組む「人工流れ星」事業について、お話を伺いました。

しし座流星群が“人工流れ星”を生んだ?!

天体観測

今から遡ること17年前、2001年は天体観測の当たり年でした。11月の夜空を明るく彩ったのは、約33年に1度の「しし座流星群」の大出現。岡島さんの、“流れ星初体験”がまさにこの流星群だったそうです。

「真っ暗な夜空に、明るい火球がいくつも光って。とにかく楽しくて、感動したのを覚えています」

当時、東京大学で天文学を専攻していた岡島さんは、同級生と天体観測を敢行。山の頂上まで機材を運び、寒さに震えながら、その瞬間までひたすら待機…。その大変さと、言葉にできないほどの感動を一度に味わった岡島さんは「流れ星を人工的に流せないかな?実現できたら、都心にいてもみんなでゆっくり楽しめる」と考えたそう。

それから10年以上の歳月が経っても、感動の光は消えず。2011年に株式会社ALEを設立し、世界初となる人工流れ星事業「Sky Canvas」を立ちあげます。

岡島さんの途方もない挑戦により、“流れ星を必ず楽しめる時代”が到来しようとしているのです。

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約3,000万人が、ともに夜空を見上げる日

人工衛星

そもそも天然の流れ星は、宇宙空間に漂うチリが秒速10~100kmというスピードで大気圏に突入する際に、大気と反応して“プラズマ発光”を起こしたもの。

一方、人工流れ星は上空60~80kmで、人工衛星から直径約1cm(ビー玉大)の特殊な粒を放出することで、自然現象の再現を目指します。精度の高い放出システムと、天然と同レベルの明るさを生みだす粒の開発は、困難を極めたとか。

「たとえば、東京上空に流れ星を、と考えても、宇宙では少しずれただけで北海道やロシアまで流れてしまいます。それに人工衛星の速度は秒速8kmほどで、天然の速度に及びません。だからこそ、正確無比な射出角度・速度を可能にする装置やシステムと、スピードのハンデを超えて明るく輝く素材の粒が重要だったのですが、素晴らしいエンジニアたちがこの課題を克服してくれました」

プロジェクトは、JAXAや経済産業省、宇宙工学の権威なども巻き込み、産官学連携で進行中。2018年後半に、人工流れ星を生む人工衛星初号機を打ちあげ、2019年には、人工流れ星を見られるイベントも決定しています。

「人工流れ星は、約200km圏内の方が一斉に楽しめるんです。宇宙に壁はありませんので、たとえば東京上空で流せば、約3,000万人が一度に体験できる計算です。この事業を『Sky Canvas』と名付けたのは、空をキャンバスにしたいと考えたから。ドローンやプロジェクションマッピングなどで演出を行なったうえで、複数の流れ星を流そうと計画中です」

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人工流れ星で、ロマンを。そして、科学的好奇心を抱いて

流星

前述したとおり、人工流れ星の速度は天然の流れ星よりもゆっくり。“願いごとを3回唱える”ことも、少しだけ簡単になるかもしれません。

「ゆくゆくは、流れ星に色を付けてグラデーションにしたり、左右からクロスするように同時に放出したり…。人工流れ星ならではの演出もやってみたいですね」

VRやARなどで、どんな疑似体験もできる世界が訪れようとしています。岡島さんは、「そんな時代だからこそ、リアルな体験の価値は上がっていくはず」と言います。

「これまで宇宙開発に関することはテレビやネット越しでしか見られませんでしたが、人工流れ星が完成すれば、一人ひとりが肉眼で体験できる。その感動をきっかけに、基礎科学に興味を持つ人を増やし発展をサポートできれば…という想いも、この事業には込められているんです」

子どもと夜空を見上げ、科学現象を解説してあげるもよし。大切な人と特別な時間を共有するもよし。もちろん、ひとりで望遠鏡をのぞき込むもよし。自分なら人工流れ星をどう満喫するか?必ず見られるその日まで、空想を膨らませながら待ちましょう。

Information

株式会社ALE

岡島さんがCEOを務める株式会社ALEのミッションは、「科学とエンターテイメントの両立による宇宙技術の革新」。2017年2月には、夜空をキャンバスに見立て人工流れ星で演出する“リアル”エンターテインメントを創出する人類初の挑戦、「SHOOTING STAR challenge」プロジェクトを発足。企業・団体・研究機関・自治体などの多彩なパートナーと連携しながら、2019年に広島・瀬戸内地域での実施を目指している。