特集
2017 Dec.27
Topic on Dream ~夢に効く、1分間ニュース~ Vol.217
世界の年収、労働時間、有休消化率ランキング!日本人の働き方とは?
「働きすぎだ」とよく言われてきた日本人。自分の給料は仕事に見合っているのか、誰もが気になるのではないでしょうか。そこで今回は、世界で働く人たちの給料や労働時間、物価について比較してみました。ランキングを確かめ、現在の働き方を見つめ直してみませんか?
世界の年収ランキング、トップはやっぱりあの国
まず、外務省が2017年9月に発表した2016年の名目GDPのランキングを見てみましょう。単位は億米ドルです。
名目GDPランキング
国名 | 名目GDP | |
---|---|---|
1位 | アメリカ | 185,691 |
2位 | 中国 | 111,991 |
3位 | 日本 | 49,394 |
4位 | ドイツ | 34,668 |
5位 | イギリス | 26,189 |
6位 | フランス | 24,655 |
7位 | インド | 22,635 |
8位 | イタリア | 18,500 |
9位 | ブラジル | 17,962 |
10位 | カナダ | 15,298 |
参考:経済局国際経済課.“主要経済指標”.外務省.2017-9-26.(参照2017-12-19)
日本は中国に大きく水をあけられてはいますが、3位にとどまっています。
このランキングを見たうえで世界の年収ランキングを見てみます。以下はCNNが提供している世界の年収を比較できるサイト『Global wage calculator: Compare your salary - CNNMoney』を参考にしたランキングです。( )内の円は、1ドル=112円で換算しています。
世界の年収ランキング
国名 | 年収 | |
---|---|---|
1位 | アメリカ | $44,952(503.5万円) |
2位 | ドイツ | $40,830(457.3万円) |
3位 | サウジアラビア | $40,503(453.6万円) |
4位 | 韓国 | $38,665(433.0万円) |
5位 | カナダ | $38,086(426.6万円) |
6位 | フランス | $37,973(425.3万円) |
7位 | オーストラリア | $37,095(415.5万円) |
8位 | 日本 | $35,238(394.7万円) |
9位 | 南アフリカ | $34,030(381.1万円) |
10位 | イギリス | $33,030(369.9万円) |
参考:CNN Money.“Global wage calculator: Compare your salary”.CNN.2017(accessed 2017-12-19)
大体の傾向として、GDPランキングで上位に入る国が、平均年収ランキングでも上位に入る傾向にあるようです。ただ、中国やインドといった人口が多い新興国が外れています。また、日本はGDPランキングに比るとやや順位を落としています。 一生懸命働いている割には、報酬が少ないと言うことでしょうか。なお、各国の年収ランキングは集計方法の違いなどで、順位が変動することがあります。
日本の労働時間は意外!しかし問題は生産性?
そこで今度は労働時間を見てみます。OECD(経済協力開発機構)がまとめた2016年の統計を『Average annual hours actually worked per worker』で確認すると、日本人1人当たりの年間実働時間は1,713時間です。 この時間は、OECD加盟国35か国のうち、データが取れた32か国中21番目という意外な結果でした。1位はメキシコで2,255時間、32位のドイツは1,383時間でした。
OECD加盟国の年間労働時間の平均が1,763時間であることを考えれば、日本の労働時間は世界的に見れば平均的な水準にあるように思えます。一見短いように見える日本人の労働時間ですが、これには理由がありました。男女差の大きさです。
参考:OECD.Stat. “Average annual hours actually worked per worker”OECD.2017-12-19(accessed 2017-12-19)
労働政策研究・研修機構がまとめている『データブック国際労働比較2017』によると、日本における週49時間以上働いている長時間労働者の割合は2015年時点で20.8%とかなり高いのです。 しかも男女別に見ると男性は29.5%、女性が9.5%と、日本の男性の労働時間の長さは突出しています。
ところがほかの先進国の男女平均は、イギリスが12.3%、ドイツは9.6%、フランスも10.1%です。男性のみの数字を確認しても、各国とも男性の長時間労働者の割合は、アジア・オセアニア地域を除き20%以下にとどまっています。日本人は先進国の中で、決して高くない年収であるにも関わらず、長時間働いている割合が高いこと、特に男性が長時間働いていることが見えてきました。
参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構. “データブック国際労働比較2017” 独立行政法人 労働政策研究・研修機構.2017-03(参照2017-12-19)
世界の休暇消化率ランキング
私たちの労働時間が長く感じる要因の一つに、有休消化率の低さがあります。エクスペディア・ジャパンが発表した『有休消化率2年連続最下位に!有給休暇国際比較調査2017』を見ると、調査対象の30か国中、日本は2年連続で最も有休消化率が低いことが分かりました。 以下は主要国の有休取得率です。
国名(消化日数/有給休暇の支給日数) | |
---|---|
100% | ブラジル(30/30日)、フランス(30/30日)、スペイン(30/30日)、オーストリア(25/25日)、香港(14/14日) |
93% | シンガポール(14/15日) |
86% | メキシコ(12/14日) |
80% | アメリカ(12/15日) |
75% | インド(15/20日) |
67% | 韓国(10/15日) |
50% | 日本(10/20日) |
参考:We love Expedia. “有休消化率2年連続最下位に!有給休暇国際比較調査2017”. Expedia.2017(参照2017-12-19)
働き方改革は自分の意識改革から!
日本は国際的に見ても長時間労働が多く、休みも取りにくい環境にありますが、これは日本人の気質も関係しているように思えます。まじめな性格や早く帰ること、休みを取ることに対する後ろめたさ、また日本独特の組織の在り方などさまざま原因が考えられます。
良くない職場環境を自ら変えていく意思、場合によっては環境を変える勇気、また自身の効率よい働き方の実践も大切だと言えるでしょう。もちろん、近年国を挙げて進めている「働き方改革」にも期待したいところです。