特集
2013 May.10
Dream & Passion
~輝ける女性たちの肖像~ Vol.4
—スタイリスト入江未悠の日々大切にしていること—
負けず嫌いで、縁の下の力持ち
自分らしく活き活きと働く、素敵な女性たちを紹介する「Dream & Passion」。
第4回目のゲストは、人気スタイリストの入江未悠(いりえみゆ)さん。現在、女性ファッション誌『AneCan』の表紙をはじめ、巻頭連載「Miyu's bar」など数々の企画を手がけると共に、商品プロデュースやデザイン、トークイベントなど、多方面で活躍中です。2013年3月には自身がデザイナーを務めるアクセサリーブランド「Myu by phoebe (ミュー バイ フィービィー)」がデビュー。整理収納アドバイザーの資格も取得したという入江さんに、スタイリストの仕事や夢などについてお伺いしました。
聞き手:スルガ銀行d-laboスタッフ 和智あゆ美
雑誌の読者モデルがきっかけでスタイリストの世界へ
d-labo入江さんがスタイリストになろうと思ったきっかけは何だったのですか。
入江洋服は小さい時から大好きで、床に服を置いて組み合わせて遊ぶような子どもでしたが、まさかスタイリストの仕事をするとは思ってもいませんでした。スタイリストになりたいと思ったのは、大学在籍中にキャンパスでスカウトされて雑誌『CanCam』の読者モデルを始めるようになってからです。モデルとして写真を撮られているうちに次第に作り手側のほうに興味を持つようになりました。そんな時に、『CanCam』編集部のファッションディレクターから声をかけていただき、編集部でライター・アシスタント、スタイリスト・アシスタントとして約2年半働きました。
d-labo学業と両立されていたのですか。
入江読者モデルは呼ばれた時に行くだけだったので、学業に支障をきたすことはありませんでした。編集部でアルバイトを始めたのは大学4年生の時で、このときは授業が落ち着いていたので問題ありませんでした。そして大学卒業後、約2年間のアシスタント期間を経て、2004年に独立しました。
d-labo独立されたきっかけは何だったのでしょうか。
入江若かったので1人でやってみたいという気持ちがとても強かったのです。スタイリストは師匠の元で修業して独立するのが一般的。私も『CanCam』編集部で一通り学ぶべきことは学び、独り立ちをしました。
『CanCam』編集部でアシスタントをしていたことから、『CanCam』のお仕事から始めたのですが、最初の頃は寝る時間もなく、徹夜なんて当たり前。気がついたら今日は一食も食べていないなど、大変ハードな日々でした。その後、『CanCam』の姉妹誌『AneCan』の創刊時から携わり、今年で6年になります。
華やかなイメージとは裏腹に地道な作業がたくさん
d-laboスタイリストには華やかなイメージがありますが、どんなところが大変ですか。
入江華やかなイメージを持たれるのは、最新のファッションに触れていられるとか、モデルさんやタレントさんと一緒に仕事をしているからだと思いますが、その一方で地味な作業がたくさんあります。例えば、1つの撮影のスタイリングを担当する際、撮影に至るまで長いと数週間かかることがあります。仕事の流れとしては、まずクライアントと打ち合わせをし、依頼内容に合わせて洋服をメーカーに借りに行きます。それらを組み合わせてスタイリングを行い、クライアントにチェックしていただきます。そこでOKが出たら、いよいよ撮影です。撮影の際に洋服などのタグを一つずつ取ったり、外で撮影するときは靴が汚れないように一足一足、靴底にテープを貼ります。また、モデルさんに着てもらう服のサイズが合わないときは後ろで調節したり、縫ったりしてモデルさんの体型にフィットさせます。こうしたことは好きでやっているので、大変さは感じないのですが、意外に知られていない部分ですね。
d-laboモデルさんに気を使うこともありますか。
入江気を使うというよりもいいものを創るために、仕事を依頼してくださった方やモデルさん、現場のスタッフなど、関わる人すべてが満足してもらえるように心がけています。すべての人が100%満足とはいかないと思いますが、それに近づけていくことが大切だと考えています。
d-laboスタイリストの仕事にはどんな能力が必要なのでしょうか?
入江スタイリストの仕事はただ洋服が好きなだけではダメで、まずは洋服のことを理解しないといけません。例えば1枚のニットについても、このニットを作った人がどういう気持ちで作ったのか、どういうシーンで着てほしいかなど、込められているさまざまな想いを読み取ります。そして、その素材や色にした理由をきちんと理解した上でそのニットを使い、モデルさんに着せた時に一番魅力的に見えるようにスタイリングすることが大切なのです。また、スタイリストには、さまざまなクライアントの要望に応え、いいモノを創るために最善を尽くせるような強い責任感も必要だと思います。あとは当たり前のことですが、私の代わりはいないため、自己管理がとても大切ですね。和智さんはこれまでスタイリストにどんなイメージを持っていましたか?
d-labo洋服や小物のコーディネートをするということは認識していましたが、洋服を作った人の想いを汲み取って仕事をしているとは考えてもいませんでした。
入江洋服の後ろにさりげなくデザインされているところがあれば、そこを見せるようにしたり、どんなロケ場所なら最も魅力的に見えるのかなどを常に考えていますよ。
日々の反省点をクリアにしていくことが大切
d-laboスタイリストのお仕事でうれしいと感じることや、やりがいは何ですか。
入江やりがいは自分のつくったスタイリングをスタッフや読者の方から「良かった」「コーディネートの参考になった」と言われることです。そういったことを言われると、どんなに疲れていても疲れが吹き飛びますね!
d-labo逆に仕事で難しいと思うことは何ですか?
入江一つひとつの仕事について100点満点を出せることはありません。ここはこうすれば良かったと常々思います。日々、小さな壁にぶつかっていますが、一度失敗したら、同じ失敗をしないように…と心がけています。ちょっとした反省点をクリアしていくこと。これを続けていけば少しずつ成長できるのではと考えています。
d-laboスタイリストはクライアントの要望に応えたり、服の作り手の想いを伝えるといった役割があると伺いましたが、自分らしさを出すことは求められるのですか。
入江自分らしいスタイリングは意識していますね。通勤着や休日のカジュアルなスタイルなど、どんなシチュエーションにおいても「品の良さ」を大切にしながらスタイリングをしています。さらに同性・異性を問わず、多くの方に見られても好印象を持ってもらえるようなスタイリングを心がけています。
d-labo入江さんのコーディネートは、色の組み合わせがとてもキレイだと感じました。何か色彩の勉強はされていたのですか。
入江ありがとうございます!大学の時に興味があったので色彩検定の資格を取得しました。雑誌の特集でも配色をテーマにしたスタイリングを担当させていただくことが多いですね。
つらくても、やめたいとは思わなかった
d-labo自分のセンスを磨くためにやっていることや、美容や健康に気をつけていることはありますか。
入江スタイリストは自分の引き出しを増やしていかなければいけない仕事なので、ちょっとしたことでも思いついたら日々メモをするようにしています。雑誌はもちろんたくさん読んで、他のスタイリストの作品を細かくチェックしてトレンドの取り入れ方などを参考にしています。あとは、洋服店だけでなく、インテリアショップや洋書店、フラワーショップにも行くようにしています。それと旅行が好きなので、旅先で刺激を得たり、インスピレーションを受けたりしています。
美容や健康についてはあまりストレスを溜めないようにしています。モデルではないので食べたい時に好きなものを食べていますし、ちゃんと休暇を取るようにしています。
d-labo仕事を始めた頃はいろいろハードだったとお聞きしましたが、それでも仕事を続けてきた入江さんの原動力はなんだったのでしょうか。
入江それは負けず嫌いだからだと思います。つらいことはたくさんあり、忙しくて寝られない、食べる時間がないということ以外にも、最初の頃はとてもプレッシャーがありました。気がついたら円形脱毛症になっていたことも(笑)。でも、やめたいとは一度も思わなかった。失敗しても、「次は絶対上手くいかせよう!」というパワーがいつも湧いてきたんです。反省点は必ずクリアしたいと思っているので、毎月目標を立てています。小さな目標ですが、クリアしていくことで「やれば出来る!」という原動力や自信になっていくのだと思います。
人に喜ばれる仕事を続け、幅を広げていきたい
d-labo入江さんの今後の抱負や夢を教えてください。
入江今はスタイリングの仕事がメインですが、ファッションを通じて女性の「キレイ」「可愛い」「素敵」に携わりたいと思っていますので、少しずつ仕事の幅を広げていけたらいいと思います。多くの人に喜んでいただき、長く仕事を続けていきたいですね。
d-laboブログを拝見したのですが、最近アクセサリー・デザインも手がけているのですか。
入江ええ。今年3月に、アクセサリーブランド『phoebe』内の1ラインでデザイナーデビューをしました。ブランド名は「Myu by phoebe」(ミュー バイ フィービィー)といいます。本当に始めたばかりです。
d-laboこれからが楽しみですね。ところで、整理収納アドバイザーの資格はどうして取得されたのですか。
入江私は仕事柄、衣類がすごくたくさんあります。自分の家の限られたスペースを自分なりに工夫して収納していたところ、ある日、夫に「こんな技があったのか」と、褒められまして…。私は収納のテクニックなんて全く意識してなかったのですが、それをきっかけに収納について調べていたら、整理収納アドバイザーという資格を見つけたんです。軽い気持ちで勉強を始めたら予想以上に興味深くてハマってしまいました。何が面白いのかというと、整理と収納は別だということです。日本の家は狭いため、家にはモノがあふれている人が多いと思います。年を重ねるごとに、増え続けるモノを整理して減らすことはとても大切。限られた空間も収納も工夫すれば心地よく使え、快適に過ごせます。学んだことをスタイリストの観点から人に伝えていけたらいいですね。
仕事とは、与えられた立場を活かして人のために生きること
d-labo入江さんにとって、仕事とは?
入江私が今の仕事をできているのはたくさんの人たちのおかげだったり、運もあると思うのです。そのため、今まで受けた恩を返していきたいという使命感みたいなものを感じています。私にできることは何でもしていきたいですね。私にとって仕事とは、与えられた立場を活かして人のために生きること。人に喜んでもらえることが生き甲斐ですし、自分のパワーにもなります。人への感謝の気持ちを忘れずに成長していきたいと考えています。
d-labo入江さんは人の役に立ちたいとか、人の喜ぶ姿が見たいという気持ちが強いのでしょうね。
入江ええ。私はつらいときのことはすぐに忘れてしまうのですが、逆に人から「ありがとう」「よかった」と言っていただけたことはずっと覚えています。これが頑張れる要素になっていますね。
d-labo今日はいろいろとお話いただきありがとうございました。最後の質問になりますが、初夏に向けてのコーディネートやおすすめアイテムを教えていただけますか。
入江これからの季節、暑くなりますから、シンプルな服を着たくなると思います。小物でトレンドを取り入れたり遊び心を加えてみるといいかもしれません。おすすめの小物は涼しげに見えるかごバッグやストロー素材のハットなどです。あとはミサンガのようなコードブレスの重ね付けが流行っていますから、たくさん付けてカラフルに。また、トレンドとして注目されているのがスケルトン素材。ビニール素材で中が透けて見えるバッグや、スケルトン素材をあしらった靴もおすすめです。シンプルな装いの中でそうした小物を取り入れてみると、ワンランク上の着こなしができると思います。
d-laboありがとうございます。さっそく、初夏のコーディネートに取り入れてみたいと思います。
Information 1
Miyu Irie Happy Days
入江未悠さんのオフィシャルブログ
Information 2
Myu by phoebe
入江さんがデザインを手がけるブランド。アクセサリーブランド「phoebe」内で展開。
公式サイト
http://phoebe.co.jp/
Information 3
Linx MANEGEMENT
入江さんの所属事務所。スタイリスト、フォトグラファー、ヘアメイクアップ・アーティストをマネージメントしている。
公式サイト
http://www.linxlinx.com/
Information 4
SURUGA Visaクレジットカード
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