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2014 Jan.19
Topic on Dream ~夢に効く、1分間ニュース~ Vol.3

お金をあまり使わないはウソ? 「さとり世代」の消費行動ホントのところ

2013年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にもノミネートされた「さとり世代」。20代前半の若者達を指すこの言葉や彼らの価値観に注目が集まりました。一般的に彼らの特徴を列挙すると、「背伸び」や「無理」をしない傾向にあるとされます。しかし、果たして彼らは本当に大きな夢や希望を持っていないのでしょうか。モノやブランドに簡単に反応しない若者は、どんな価値観を持っているのかを分析しました。

お金をあまり使わないはウソ? 「さとり世代」の消費行動ホントのところ

「さとり世代」言葉のルーツは巨大掲示板にアリ

そもそも「さとり世代」という言葉が生まれたきっかけは、2009年12月に刊行した山岡拓著の『欲しがらない若者たち』という書籍にあります。無駄を嫌い「効率」や「コストパフォーマンス」を重視する彼らの嗜好性を「さとり」と巨大掲示板で名付け始めたのがきっかけだとされています。

「飲みすぎない」「頑張りすぎない」「無理しすぎない」など、何事にも“やりすぎ”になることを嫌う傾向がある「さとり世代」。しかし今年10月に発売された原田曜平著『さとり世代――盗んだバイクで走り出さない若者たち』の中では、彼らが消費活動をしなくなったのかというと、そんなことはないと論じられています。

むしろソーシャルメディアの普及により、これまでの世代に比べて圧倒的に所属するコミュニティの数が増えた彼らは、交際費がとても増えているのだそう。サークル、ゼミ、地元コミュニティに加え、趣味のコミュニティなどグループが細分化され、そのなかで円滑な関係を維持するため、「飲み会」や「宅飲み/家飲み」などにちょくちょく顔を出しているそうです。決して1回の会合で使う単価は高くないけれど、回数が多い分、トータルで考えるとかつての若者達と遜色ないくらいお金を使っているのではないかと指摘されています。ソーシャルメディアの普及で人とのつながりが増えた「さとり世代」は、リアルの場においても「交際に積極的な世代」と分析することができます。

「さとり世代」は「交際に積極的な世代」

「LINEのグループ招待やFacebookに来るイベントのお誘いを無視し続けるわけにはいかない。断りづらいときには、相手に悪い心証を与えないように、やむを得ず気付かないフリをしてやり過ごすこともあります」とは、20歳の現役女子大学生の弁。コミュニティが増えた分、こうしたトラブル回避テクニックも身に付けており、また自分に最もフィットする場所を冷静に見極める能力にも長けているようです。また友人関係のみならず、将来のキャリアに関しても「自分が興味ある分野のインターンやアルバイトを数多く経験して、一番合いそうなものを選んでいきたい」と語ります。

将来の夢、コミュニティ、モノ、情報。全ての選択肢が圧倒的に増えた分、それらの一つひとつを吟味した後、一番自分の価値観に合ったライフスタイルを選び出す。「さとり世代」は、これまでで最も合理的でバランス感覚に優れたスマートな世代なのかもしれません。

参考書籍:『欲しがらない若者たち』(山岡拓・日本経済新聞出版社)
『さとり世代 盗んだバイクで走り出さない若者たち』(原田曜平・角川Oneテーマ21)

文 東京通信社