スルガ銀行 Dバンク支店

SURUGA d-labo. Bring your dream to reality. Draw my dream.

特集

特集TOP

2014 Jan.20
d for Digital ~今、ここにある未来~ Vol.3

欲しいものを自分で作れる時代がやってきた。
「メーカームーブメント」に注目!

最先端のITやガジェットに関する情報を中心に、半歩先行くデジタルの未来をご紹介する「d for Digital」。第3回を迎える今回のテーマは「メーカームーブメント」。デジタルを活用した新しい「ものづくり」の可能性とは?

欲しいものを自分で作れる時代がやってきた。「メーカームーブメント」に注目!

「メーカームーブメント」ってなに?

「DIY」という言葉は、みなさんご存知でしょうか。「Do It Yourself」=「自分でやる、自分で作る」という意味で、たとえば工作をしたり日曜大工で家を修理したりなど、自分で手を動かしてものを作ったり直したりすることです。

この「DIY」にテクノロジーを組み合わせたもの。それが“メーカー”や“ファブ”という表現で、ここ数年話題になってきています。といってもまだ漠然として掴みどころのない感じがするかもしれませんね。“メーカー”は「作り手」、“ファブ”は「ものづくり」というと少しイメージが湧くでしょうか。

ポイントは「テクノロジーの進化」で、ものづくりの工程や規模が縮小されているという点です。以前は金型を作って工場のラインを確保して大金をかけないと作れなかったものが、コンピューターや3Dプリンタを使って、自宅で作れるようになってきました。

どうして今“メーカー”なの?

クリス・アンダーソン著『MAKERS-2世紀の産業革命が始まる』という本が日本で発売されたのが約1年前の2012年10月でした。この本では、個人や小さいグループなどでものづくりを行い、従来の製造業とは違う方法で作ったものを世に出していく“メーカー”について触れています。アイデアを形にする、自分で作ってみることが可能な時代になってきているのです。ではこの“メーカー”、いったいどういう所でどんなものを作っているのでしょうか?

ものづくりといえば、Maker Faire(メーカー・フェア)も忘れてはいけないイベントでしょう。アメリカのオライリー社が2006年から始めたもので、その規模は年々大きくなり、全世界に広がってきています。もちろん日本でも東京で毎年開催されています。このイベントに自分が作ったものを持って参加する人々は“メーカー”と呼ばれ、作品の種類は電子工作、クラフト、手芸、農業関連など多岐にわたっています。アメリカでは、仕事の合間に自宅やガレージなどでいろいろなものを作っている“メーカー”が多いようです。

最近では、レーザーカッターや3Dプリンタを使ったものを展示する“メーカー”が増えてきていて、ロボットなどの立体造形物の展示が会場のあちらこちらで見られるようになってきました。もちろん3Dプリンタ自体の展示も増えており、個人でも手に入れやすい大きさや価格になってきています。

Photo by Mitch Altman
Photo by Mitch Altman

Hackerspace(ハッカースペース)は、ものづくりコミュニティの1つで、こちらは個人というよりも有志が共同で作業場所を運営しているものがほとんどです。世界中のハッカースペースは緩く繋がっていて、旅行先で現地のスペースを訪問したりするメンバーもいます。 さて、「ハック」という言葉には「コンピューターがハックされた(乗っ取られた)!」など、悪いイメージがある人もいるかもしれません。でも、「ハック」という言葉はもともと、「高い技術力を駆使してシステムを操ること」という意味がありこの場合ももちろん、そういった良い意味で使われています。

グローバルに成長している「ファブラボ」

ファブラボはそのウェブサイトで、「個人による自由なものづくりの可能性を広げるための実験工房」と銘打っています。 (http://fablabjapan.org/whatsfablab/)

ファブラボと名乗るための重要な条件のひとつが、「パブリック・アクセス」。「これは一般市民が誰でも自由に利用できるような施設にする」ということです。またファブラボはどこでも同じ機材を揃えることになっています。たとえばレーザーのカッティングマシンを使いたい、3Dプリンタでなにか出力したい、というような場合、最寄りのファブラボへ行けば同じ機材を利用できるんですね。これは世界のどこのファブラボでも同じです。また、ファブラボでは、そこで作られた物のデザインなどをオープンソース化する取り組みも行っています。なので、気に入ったデザインをダウンロードして使わせてもらうことも可能です。

現在、日本国内でファブラボとなっているワークスペースは、鎌倉市を筆頭につくば市、渋谷区、大阪市、仙台市、横浜市と着実にその数を増やしてきています。行ってみたいファブラボに問い合わせをして空いている時間や使い方、料金を確認してみましょう。あなたも”ファブ”に参加できちゃいます!

“ファブ”で実現する「こんなものあったらいいな」

日本で最初にできたファブラボ鎌倉にはステキなエピソードがありますので、紹介します。
http://kuluska-japan.com/blog/2013/02/2013kuluska/
鎌倉でものづくりをしているKULUSKAというユニットがいます。彼らのデザインした革のスリッパが鎌倉のファブラボを通じて、世界のファブラボを回っている研究者のJens(イェンス)と出会ったことから、スリッパのデザインがデータとしてシェアされてケニアのファブラボで作られることになりました。このスリッパは、なんとケニアに住むオバマ大統領のお祖母さんにも届けられたそうです。日本のデザインが海を渡ってケニアで形になる。面白いと思いませんか?

「メーカームーブメント」、そして小規模でのものづくりの可能性、今回はその一端に触れたのみですが、探してみるといろいろなものを作ったり、ウェブで販売したりというものが実はたくさん見つかります。

・rinkak(https://www.rinkak.com/
rinkakは、3Dプリンタでの出力を代行してくれるもの。3Dデータを自分で作れば出力をしてくれます。さらに販売をすることもできます。

・Etsy(http://www.etsy.com/
Etsyは、個人等が制作したものを売買できるマーケットプレイスです。手芸・工芸品もあれば、3Dプリンタで出力したフィギュアのようなものもあります。

・URBEE(http://korecologic.com/) URBEE はなんと3Dプリンタを使って作られた車です。彼らは、次は地球で最もグリーンな車「URBEE2」を作る!ということで制作資金を募っています。少人数で車も作れてしまうんです!

大量生産の品物ばかりに囲まれて過ごす生活から少し離れて、ちょっと“ファブ”を取り入れたり、手作りしたものと過ごす生活はいかがですか?