スルガ銀行 Dバンク支店

SURUGA d-labo. Bring your dream to reality. Draw my dream.

特集

特集TOP

2014 Feb.6
Topic on Dream ~夢に効く、1分間ニュース~ Vol.8

今話題の3Dプリンタが医療に革命を起こす!?

昨年末、「日常の問題を解決する」作品を募集する国際デザインエンジニアリング アワード、『ジェームズ ダイソン アワード 2013』の選考結果が発表されました。そのなかで、日本の3Dプリンタの技術とスマートフォンを用いて、失われた手の動きを、残された筋肉の電気信号をもとに再現する義手『Handie』が2位を受賞する快挙を達成しました。今、このような3Dプリンタの技術が、医療の分野で活躍の兆しを見せ始めています。

今話題の3Dプリンタが医療に革命を起こす!?

従来100万円以上する筋電義手の材料費を2万円以下に

『Handie』は「筋電義手」に該当します。「筋電義手」とは失われた手の動きを、残された手の筋肉の電気信号を介して再現する義手のタイプで、既に市販化されています。しかし、値段がどれも100万円以上と決して気軽に購入できる金額ではありません。そこで東京大学大学院を卒業した山浦博志氏、近藤玄大氏と、千葉工業大学大学院を卒業した小西哲哉氏の3人の開発チーム「Exiii」は、コストを抑えた『Handie』を開発しました。

スリランカのマンソン大会の様子

『Handie』は3つの観点でコストを抑える工夫を行ったといいます。

1つ目は、情報処理を自作の筋電センサーとスマートフォンで行っているという点です。片方の腕にセンサーを付け、動かしたときに発生する微量の電気信号をBluetooth機能でスマートフォンに接続することで、これまでの高価な専用機器を使用する必要性をなくしました。

2つ目は、従来、関節の数と同じ15個必要とされていたモーター数を、独自のリングとバネを駆使し、6個に抑えた点。

そして最大のポイントである3つ目が、モーターを除く全ての部品を3Dプリンタで作れるように設計した点です。これにより義手を作る際に用いていた金型のコストが抑えられ、材料費を2万円以下に抑えることに成功したのだとか。また、壊れても簡単に直せるように、各指を簡単に取り外せるようになっていて、そうした観点でも、従来の製品より手軽に利用できるようになりました。

『Handie』は、今後製品化された際に、成長に応じて義手のサイズを交換していかなくてはならない子どもや、発展途上国でのニーズが想定されています。そして、カラーバリエーションも複数想定するなど、義手のイメージをよりファッショナブルなものとして、受け入れられていくことにも貢献したいのだとか。開発者の山浦さんによると「現在は次の試作に向けての開発に注力している」とのことです。

ちなみに、前述の国際審査で1位を獲得したのも3Dプリンタとアルミニウムを活用し軽量化&低コスト化に成功した上半身用の外骨格のサポート器具。3位にも3Dプリントを利用した骨折補助用鋳型システムがランクインするなど、3Dプリンタを活用した技術が、医療現場でスタンダードになる日が、近いことを予感させてくれますね!

参照元:ジェームスダイソンアワード公式ページ
『Handie』紹介動画