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2017 Apr.25
Topic on Dream ~夢に効く、1分間ニュース~ Vol.180

“パイプ・葉巻”を愛する男が魅了された、大人の世界。
そのさまざまな楽しみ

パイプ

シャーロック・ホームズやチェ・ゲバラが愛用したように、古い時代のアイコン的な存在でもあるパイプや葉巻。今回は、そんな趣味の世界に目覚めて以来、その奥深さを世に伝えるべく活動している“スモーキングコーディネーター”の和久偉さんに話を伺いました。

喫煙具のモノとしての美しさ、コーヒーのような味わいの妙、そして同じ文化を共有することで生まれる人とのつながり……。和久さんが魅了された、パイプ・葉巻の世界とは?

難しい作法ナシ。パイプも葉巻も自由に楽しむ

「スモーキングコーディネーター」の和久さん

現在、「スモーキングコーディネーター」を名乗る和久さんがパイプや葉巻と出会ったのは、アルバイトとして入った新宿の老舗喫煙具ショップ「kagaya」でのこと。当時は、ショップでほかに扱うカフスボタンなど紳士向けのアクセサリーに興味があった和久さんですが、次第に喫煙具に夢中になっていったそうです。

「葉の種類によって味が異なるのはもちろんですが、パイプの形もさまざまで、同じ葉でもパイプを変えれば味わいが変わる。じゃあこのパイプならこの種類のタバコに合うのかなとか、あれこれ試しているうちにパイプの数がどんどん増えていって。

シガレット(紙巻きタバコ)の広告はよく見るけれど、パイプや葉巻は映画の中でしか見かけませんよね。パイプや葉巻はまだ手付かずのジャンルで、いろいろな提案をする余地があったのも、好奇心をかき立てられた理由のひとつだったと思います」

仕事を通して好奇心の赴くまま気になることを調べるうち、さまざまな知識が断片的に蓄えられていったと言う和久さん。いつしか店で一番の知識量を誇るほどに!その歴史もまた、和久さんにとって興味深いものとか。

「タバコの起源って、実はよくわかっていないんです。今のところ、マヤ文明の壁画に描かれているのが最古の記録。現代のような喫煙文化が生まれたのは、大航海時代ですね。大英帝国が植民地でタバコを生産するようになり、産地ごとにブランド化して売り出していったんです」

パイプ

そんな和久さんが好むのは、手軽な気分転換法の1つとして葉巻やパイプを嗜むこと。目的は、あくまで自分自身がリラックスすることなので、自由な楽しみ方でいいと考えているそうです。

「こういう嗜好性が強いものって、こうじゃなくちゃいけないとか、それは邪道だとか、閉じたコミュニティの中だけで語られがちですよね。確かに、古くから育まれてきた文化があるので、かなりマニアックな世界ではあります。

でも、そういうのを壊したくて(笑)。たとえば、葉巻やパイプの煙は口腔内に巡らせて香りを味わうものですが、肺に入れたければ入れてもいいと思うんです」

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パイプには、道具としての面白さがある

パイプ

口にくわえながら作業ができるパイプは、パソコンや読書のともに。1本吸うのに時間がかかる葉巻は、仲間たちと談笑しながら……。日常的にパイプや葉巻を嗜む和久さんは、そのためのさまざまな喫煙具をレザーケースに入れて持ち歩いています。

なかを見せてもらうと、入っていたのは、パイプに刻み葉、葉を詰めるタンパー、溜まったカーボンを削るためのブレードなどなど。

「とくにパイプは、道具がいちいちかっこいいんですよね。たとえばライターって、男性用装身具の代名詞のようなもの。有名なデュポンやダンヒルのほか、ティファニーやエルメスなどのハイブランドも古くから取り扱っています。上方向ではなく横向きに火が出る、パイプ専用のライターもあるんですよ。

パイプ本体も3,000円くらいから数百万円クラスまで、幅広くあります。木目の美しさで価値が変わったり、使うほどに古色を帯びたり…。まさに趣味の世界ですね。家には、常時50~60本ほどあります」

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葉巻は、同士とともに。料理・ドリンクとの相性も楽しい

葉巻

道具としての魅力に溢れる、パイプの世界。一方、葉巻は「誰かと一緒に楽しめるのがいい」とのこと。写真は、和久さんのコレクションの一部です。

「葉巻は、パイプのように刻み葉をタンパーで詰めて…というような手間がかからないので、友だちと一緒に、バーなどで吸うことが多いですね。葉巻は、お酒や料理との組み合わせが楽しいんです。キューバの葉巻なら当然モヒートが合うよねとか、この葉巻はコクがあるからオイリーな料理と合わせよう……とか。

葉巻を通して、そんなコミュニケーションが生まれるんですよ。海外だと屋外で喫煙できるので、葉巻を吸いながら散歩するのもすごく気持ちがいいですね」

ちなみに和久さんは、パイプ・葉巻と出会う以前から愛煙家。シガレットだけだった以前と比べ、今では喫煙するシチュエーションに一層こだわるようになったそうです。たとえるなら、紙巻きタバコはインスタントコーヒー、パイプや葉巻はドリップコーヒーと語ります。

「タバコの葉って、日本で売られているものだけで数百種類あるんですよ。産地やブランドによって味や香りは多彩。僕は、ストレートに味がわかるバージニアという銘柄が好きですね。

シガレットはストレス解消のためというイメージがありますが、パイプや葉巻はゆったりリラックスして味わうもの。基本的に香りのマリアージュを楽しむ大人のためのものなので、一緒に用意する飲み物なども妥協したくないんです」

個人的に、シガーバーに行くことも多いという和久さん。そこではまた、異なる楽しみもあるとか……。

「西麻布のシガーバーには、頻繁に足を運んでいます。リラックスした時間を過ごすことができ、同じ嗜みと話題を共有する仲間との出会いが生まれる。僕にとっては、そこが最大の魅力ですね」

Information

株式会社 フカシロ
喫煙具専門店 kagaya

「kagaya」は、紀伊國屋書店新宿本店の1階にある、50年以上の歴史がある喫煙具専門店。パイプや葉巻などのほか、モルトウィスキー、カスタムナイフ、アクセサリー、腕時計、フレグランスなど紳士向けの多彩な商品を取り扱う。和久さんは、こちらのお店の副店長を務めた後、フカシロ本社にて嗜好品の認知、楽しさを広めるため、日々邁進中。