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2017 May.24
Topic on Dream ~夢に効く、1分間ニュース~ Vol.185

〈古地図散歩/日本橋編〉
魚河岸や水路の痕跡があるビジネス街をたどる

東海道五十三次 日本橋

江戸情緒・下町情緒というと“浅草”や“谷根千”などを思い浮かべがちですが、開発が繰り返された街にも、歴史が紡いできた跡は残されています。その手がかりとなるのが、「古地図」。

“古地図散歩”で、スルガ銀行の支店がある日本橋と六本木を歩いてみると、意外な発見が…!まずは現在再開発が進む「日本橋」の街で見つけた江戸時代の痕跡をご紹介します。

今も昔も日本の中心「日本橋」のたもとには
かつて栄えた魚河岸があった

古地図

今回、日本橋エリアを案内してくれたのは、古地図「江戸切絵図」をもとにしたウォーキングイベントを主催する「歩き旅応援舎」の岡本永義さん。街歩き歴は20年以上、東海道を5回踏破するなど、江戸時代と現在の東京を知り尽くした達人です。

岡本さんによれば、日本橋は江戸の街でもっとも賑わった場所。当時の街並みが記された江戸切絵図の「日本橋北神田浜町絵図」からわかる、その痕跡を感じられる場所とは…?

日本橋

まずは地名の由来となっている「日本橋」から。ここに橋が架けられたのは、江戸幕府が成立した1603年のこと。そのあと、東海道・中山道・日光街道・奥州街道・甲州街道の「五街道」の起点として、日本各地から人やモノが集まる経済の中心地となっていきました。

20代目にあたるとされる現在の橋は1911年に完成した、国の重要文化財。現在もこの橋の中央には道路元標が置かれ日本の道路網の始点となっているなど、歌川広重の浮世絵に描かれた当時から、今も変わらず日本の中心地です。ちなみに写真に見える「日本橋」の文字は徳川慶喜によるもの。

日本橋川 北岸

日本橋が架かる日本橋川の北岸には、かつて威勢のよい取引が飛び交う魚河岸がありました。その起源は、江戸初期、佃島の漁師が幕府や大名に納めた御用魚の残りを売り出したからだそう。

1日に千両もの取引があるといわれ、江戸でもっとも活気ある場所だったそうですが、関東大震災で被害を受けたことをきっかけに築地に移転することになります。

「日本橋魚市場発祥の地」の石碑と乙姫の像

日本橋のたもとには「日本橋魚市場発祥の地」の石碑と乙姫の像が建てられ、その由来を今に伝えています。岡本さんによれば、乙姫の像が建てられている理由は「タイやヒラメが舞い踊る」からだとか。

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江戸の水運を支えた「入堀」を埋め立てた道路の上を歩く

古地図 水路「入堀」

魚河岸で販売する魚介類をはじめ、さまざまな物資が船で運ばれてきた日本橋界隈。そのため当時は物資を荷揚げするための水路「入堀」が張り巡らされていました。

古地図を見ると、たしかに大きな2本の水路が日本橋川から伸びています。これら水路は、昭和に入ると、次々と埋め立てられていったのだそうです。

堀留公園

その名残を伝えているのが、この「堀留公園」。かつてここには堀江町入堀(東堀留川)が流れ、両岸には材木や畳表などの問屋が並ぶ物流の拠点でした。公園の敷地の横幅は当時の川幅そのまま。当時広く運搬に使われていた船が並んでいたであろう、当時の様子をダイレクトに感じさせます。

船着場の石積の展示

公園からさらに先に歩みを進めると、ビジネスホテル入口脇に、工事中に発掘された船着場の石積の展示が。こちらは、堀江町入堀(東堀留川)と並んで流れていた伊勢町堀(西堀留川)の名残なのだそうです。

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古地図に記された神社は現在、街の憩いの地に

古地図 「イナリ」の文字

伊勢町堀の終着地点には、「江戸切絵図」上に赤色で示された「イナリ」の文字が。これは平安時代からある古社「福徳神社」、別名「芽吹稲荷」。地図の場所とはわずかに異なるものの、今もこの地に鎮座しています。

古社「福徳神社」 別名「芽吹稲荷」

周囲はビル群、位置はCOREDO室町のちょうど真裏、この一帯は2016年に「福徳の森」として再開発されたばかりのコミュニティスペース。江戸時代からの賑わいを今に伝える、象徴的な場所です。

「一見何もない普通の町並みの中に、かつての時代の痕跡が隠れている。古地図を見て歩くことで、意外なところに歴史を感じられるのが、“古地図散歩”の醍醐味です」と、岡本さん。

今回巡った日本橋界隈は、ビルが立ち並ぶ繁華街。現代的な街だからこそ、古地図と見比べることでかつてとのギャップに驚かされ、街の歴史をダイナミックに感じることができます。そして、“勝手知ったる街”に、よりいっそうの愛着が沸いてくるはず。

日本橋を訪れたなら、江戸時代から栄えるこの街の“かつての姿”に、思いを馳せてみてください。

Information

歩き旅応援舎

古地図「江戸切絵図」をもとに東京のさまざまな街を巡る「古地図散歩に行こう!」のほか、1泊2日で東海道を踏破する「京都まであるく東海道」など、多彩なウォーキングイベントを定期的に開催している。