「今月もお財布がピンチ!」…そんなドキドキ感を味わったことがある人は少なくないだろう。そうならないために必要なのが「貯金」。今回は、各分野の専門家が情報発信するサイト「オールアバウト」の預金・貯金ガイドも務めるファイナンシャルプランナーの坂本綾子さんに、お金を貯める3つの習慣を伺った。

その1:「学生時代にしかできないことをするための資金」を貯めると考える

何事も目的がなければやる気になれないもの。坂本さんは、貯金を習慣化するには、まず「目的の設定が大事」だと話してくれた。

「就職すると自由になる時間も減りますから、『貯金は学生の今しかできないことをする資金』と考えるようにしましょう。
例えば旅をする、専門的なことを学ぶ…。特に旅行は見聞を広め、自分を客観視できるいい機会で、将来を考えるきっかけにもなるはず。若い頃の体験は後から買うことができません。そう考えれば、おのずとムダ遣いも減るはずです」

これなら貯金通帳を見るのも楽しくなりそう。では、貯金額はどう決めたらよいのだろう?

その2:毎月の貯金金額を「収入の割合」で決める

「『1か月の収入の〇割は絶対おろさない』というように、割合を決めて貯金するようにしましょう。ただし、長続きできるよう、多少の余裕をもたせるのがポイント。
それから、学生は就活の費用も必要です。さまざまな調査結果を見ると、交通費なども含め平均13~16万円程度かかるそうなので、このこともきちんと考えてお金を貯めておきましょう。成人式のスーツを購入する際に、就活も意識したものにすると節約になりますよ」

なるほど。バイト次第で毎月の収入が変わることもあるから、確かに「金額」ではなく、「割合」で考えると気軽にできそうだ。

その3:一番よく使うものの出費記録をつける

しかし、どうしてもやめられないのが「ムダ遣い」。坂本さんは、これもある習慣を身に付けることで防げるという。

「一番出費が多いと感じるものに限って、記録をつけること。すると、実は要らないものを買っていた、あるいは買ったけど使わなかったものが見えてきます。1項目に限れば、メモ程度でできますしね。また電子マネーは、履歴をチェックしてチャージ額を決め、余れば節約できた、足りなければ何に多く使ったのか、簡単に分かりますよ」

「貯金」と聞くと我慢が必要だとか、お金が無くなったら親にすがれば…と思う人もいるかもしれない。でもこうして、ちょっとした習慣を身に付け、貯金自体を習慣化することは、卒業後の自立にもきっと役立つだろう。

文:北舘和子/企画:エフェクト